カンデサルタン vs. ロサルタン カンデサルタンは高容量の結果

HF registry (the Swedish Heart Failure Registry)は、カンデサルタンとロサルタンの比較試験です。JAMAに掲載。
ARBのクラス内での違いというのはあまりはっきりしていないと思っていたが、この論文だと心不全症例では、カンデサルタンの生存率がロサルタンより良い結果です。しかしカンデサルタンはかなりの高容量を使っている。

まとめ
臨床上、心不全のある症例を登録。
カンデサルタン 2639人、ロサルタン 2500人、バルサルタン 357人
1年生存率 カンデサルタン 90% ロサルタン 83%
5年生存率 カンデサルタン 61%  ロサルタン 44%
ロサルタンのハザードレシオ 1.43
 
Target dose は、カンデサルタンの32 mgに対して、ロサルタン50 mg
 
AT1受容体への結合
ロサルタン 1箇所、カンデサルタン 4箇所、
結合の半減期ロサルタンは秒から分の単位、カンデサルタンは、120分であり、AT1受容体の結合はカンデサルタンの方が強い。
血圧降下作用でも、ロサルタン100 mgよりカンデサルタン16 mgの方が優れるという報告もあり。
 
観察研究 (Observational study) であって、Randomized control study ではない。
ロサルタンの方が先に発売されていて、登録機関最初にロサルタン症例が登録され、後半にカンデサルタンが登録された。
未知の交絡因子(unknown confounder)のためカンデサルタンに良い結果が出ている可能性もあり。
 
感想
DIRECT study でも感じたことだけれど、日本のカンデサルタンの通常量は8 mg、最大12 mg まで処方可であるのに対し、海外では32 mg処方が可能。
カンデサルタンの日本の処方容量は海外に比べ少ない。ロサルタンは、通常量50 mgで、100mgまで処方可で、海外の量と同じ。
日本の治験で、血圧降下作用のピークなどから日本の通常量8mgが決められたのでしょうが、日本人で容量をさらに増やした方が、心保護作用を認めるというデーターがあるのか知りたいところ。
AT1受容体への結合率の違いが臨床効果をこれだけ変えることがあるのか、統計処理上、未知の交絡因子により、これだけの差がつくことが良くある事なのか、なかなかすんなり理解できない。
Target dose の決め方も、統計的検討により決まったと書いてあるけれど、そのやり方も統計知識がないと理解できない内容でした。
 
Association of candesartan vs losartan with all-cause mortality in patients with heart failure. JAMA2011; 305:175-82

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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