エクゼナチド発売記念講演会

エクゼナチド発売記念講演会に行ってきました。 2段階の容量をどう使っていくのか、自分なりに理解できた点も多かったです。

①併用薬は、SU剤、メトフォルミン、チアゾリジン誘導体が可能
最初から単独投与は望ましくないようです(保険適応上)。食後血糖を下げるので、αGI、グリニドとの適応追加は必要なさそう。
②容量が海外と同じ  1日2回注射が必要、半減期6時間吐き気の強い症例など、夜1回で開始したりということもあるようですが、血糖降下作用は不十分、治験のデータもない。
③重篤な腎不全で禁忌
 
日本の第III相試験で
 
A1C低下
 体重
5 µg twice daily
-1.34%
プラセボと有意差なし
10 µg twice daily
-1.64%
 -1.54 kg
 
治験プロトコール上、一度SU剤をやめると再開できないことになっていて、そのため10 µg twice dailyで、SU薬をやめた後、A1Cが上がってきた症例も提示された。
10 µg twice daily では、5 µg twice daily に比べ、A1Cが0.3%しか下がっていないが、SU剤の再開を制限したプロトコールも関係しているかもしれないという印象を持ちました。
 
血糖降下作用、体重の減量効果は、個々の症例で異なり、5 µg twice daily をまず1ヶ月続け、そこから増量するかは、症例に応じてという事になると思います。リラグルチドは、1週間ごとにdose up可であるのと異なっています。通常量が、5 µg twice daily, 効果不十分な場合、10 µg twice dailyなのだという印象です。講演会に行く前は、5 µg twice dailyはあまり血糖が下がらず、10 µg twice dailyにはやめに上げた方がいいのかと思っていました。、5 µg twice dailyでも血糖値は良く下がる。(インスリン分泌の保たれた症例で)
 
体重とA1Cの散布図では、10 µg twice dailyで、体重減少症例が増えていて、体重を期待する症例には10 µg twice daily とすることを推奨ということでした。体重、A1C効果の見極めは1か月以上かかるので、dose upは数ヶ月後でいいのではないかと思います。
 
Web conference でもやっていたが、LDL低下は強くないものの、TGを下げ、HDLを上げ、血圧を下げていた(海外での論文あり)。血圧降下作用は、腎でのナトリウム排泄促進のため。
 
添付文書SU剤無効例に使うことが保険適応である。
SU剤との併用で、低血糖のためSU剤を中止して、エクゼナチド単独治療になった場合でもレセプト審査上はコメントを書くなどで許容されて行く見込みという議論でした。

ドイツではメトフォルミンとの併用が多いとのこと。
メトフォルミンと併用すると体重が減りやすいという結果もだしていた。
 
海外容量での比較 (LEAD6) では、エクゼナチドは、リラグルチドより血糖降下作用が弱いとされているが、 ドイツの症例では、エクゼナチドから、リラグルチドに変えて血糖が上った症例もあるという事で、効果は一概には言えないものと感じました。
LEAD試験は海外の結果であり、日本で両者の直接比較はなく、認可容量も異なる。これから使用されて行くうちに、血糖効果、体重減少作用などの点で、エクゼナチドとリラグルチドの比較ができるようになっていくので、まだこれからと思います。

追記20110212
基本的なことで学んだこと
GLP-1の食欲抑制メカニズム
①中枢への直接作用
②自律神経を介する
③ 胃排出能抑制
 
GLP-1のグルカゴン抑制メカニズム
α細胞にはGLP1受容体はない。
①インスリンによる抑制
α細胞特異的にインスリン受容体をノックアウトしたマウスでの解析結果がある。ジョスリン糖尿病センターのグループ
②ソマトスタチンを介する抑制。ソマトスタチンは、インスリン、グルカゴンともに抑制

みぞれ交じりのお天気、寒かったが雪が積もらなくてよかった。
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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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