sweet taste receptorsとGLP-1分泌、L細胞も甘みを味わう。

Diabetologia のGLP-1の総説を読んで、L細胞の甘味受容体(sweet taste receptor) がGLP-1分泌に関与していることが分かりまとめてみました。
GLP-1分泌に関する受容体で、L細胞の絨毛側にあるのは、ナトリウムとcouple しグルコースを取り込むsodium glucose transporter とsweet taste receptorsで、NEFAの受容体であるGPR119、GPR120 が絨毛側(管腔側にあるかははっきりしていない1)。

Gastductin は、taste transduction pathway のkey elementsとなるG蛋白。
Gastductin は、小腸のL細胞の90%以上に存在。K 細胞には50% 未満で存在。
ヒトでは、5-10%にGLP-1とGIP が共染されるL/K  細胞があり、L/K  細胞にはgastductin も存在する。
ヒトの十二指腸のバイオプシーの蛍光免役染色で、Gastductinの発現を認めた。
 
Gastductin のノックアウトマウスでは、経口グルコース投与後のGLP-1上昇が認められない。
ヒト腸管内分泌細胞NCI-N716細胞で、ブドウ糖、ショ糖sucrose、人工甘味料 sucraloseはGLP-1分泌を分泌させsweet taste receptors antagonist である lactisoleや、gastductin のSiRNAはGLP-1分泌を阻害する。
 
感想
Enteroendcrine cell であるL細胞は甘味受容体があったり、GLP-1でインスリン分泌させ、食欲抑制をかけたりすることができ、かなり高度な細胞。
L細胞のGLP-1分泌促進薬も創薬のターゲットとしては面白そうです。
 
3)の論文は、ダイエットコーラには人工甘味料sucralose、acesulfame-Kが含まれていて、糖負荷試験10分前にダイエットコーラ240mlを飲ませたところ、血糖値に差はないがGLP-1のarea under the curve (AUC) は増加したという内容です。
 
 
1. Secretion of glucagon-like peptide-1 (GLP-1) in type 2 diabetes: what is up, what is down? Nauck MA, Vardarli I, Deacon CF, Holst JJ, Meier JJ. Diabetologia. 2011; 54: 10-18
 
2. Gut-expressed gustducin and taste receptors regulate secretion of glucagon-like peptide-1 PNAS 2007 104 (38) 15069-15074
 
3. Ingestion of Diet Soda Before a Glucose Load Augments Glucagon-Like Peptide-1 Secretion Diabetes Care 2009 32 (12) 2184-2186


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はじめまして

DM患者で「my」と申します。
以前から、先生のブログで勉強させていただいておりました。

>3)の論文は、ダイエットコーラには人工甘味料sucralose、acesulfame-Kが含まれていて、糖負荷試験10分前にダイエットコーラ240mlを飲ませたところ、血糖値に差はないが
GLP-1のarea under the curve (AUC) は増加したという内容です。

へぇー、すごいですね。
私には、GLP-1は適用外なのですが、海外では、併用で、良好なコントロールを得られるというエビデンスもあり、試してみたいんですけどね、コレばっかりは仕方ないですね。

でも、先生のご紹介くださった論文発表は、とても、興味深かったです。
ありがとうございました。

Re: はじめまして

ダイエットコーラの論文ですが、22人の健常者で行われました。血糖は変わらないが若干GLP-1の総量を増やしていました。人工甘味料がGLP-1分泌を促進するかどうかは否定的な論文もあり、その確認をするためにされたものです。
GLP-1の測定はDPPIV阻害薬を使ったりと大変で、良くやったなーという印象です。雑誌Diabetes Careはこういう小さい論文でもちゃんと載せていて、データの蓄積が今後に生きると思いました。GLP-1の臨床応用は始まったばかりです。
これはもうGLP-1の生理作用の確認という実験で、GLP-1の血糖降下作用とか、食欲抑制には注射薬で持続的に血液中濃度を上げておくのがいいかと、個人的には思っています。著者
プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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