甲状腺機能亢進症に対する放射性ヨード療法

バセドウ病にたいする放射性ヨード治療後の患者さんをフォローアップすることがあるので
レビューを読んでみました。adenomatous goiter (Plummer 病)でも適応があり、腫瘍組織のみ壊死させることができることがわかり、メカニズムも面白かった。

まとめ
甲状腺ホルモンはbeta-adrenagic receptor を増やし細胞内出血のcAMP産生を増やす。
Hyperadrenagic state は、興奮したり agitation 、不眠などの症状を起こす。
 
Thyrotropin (TSH) 受容体は、眼窩のfibroblast や脂肪細胞に発現していて、自己免疫のターゲットとなり
バセドウ眼症の原因なると思われる。
 
正常甲状腺組織で、TSHはfollicular cell にヨードの取り込みを促進、TSH受容体抗体(TRAb) はTSH受容体を活性化するので放射性ヨードは腺全体で濃縮される。
Toxic adenoma 、Toxic nodular goiter では、TSH は甲状腺機能亢進により抑制されていて、autonomousの組織にのみ集積、ただし抗甲状腺薬で治療されていて、TSHが正常あるいは上昇していると放射性ヨードは正常組織にも濃縮されてしまう。

放射性ヨード治療 (
radioiodine) がfirst line therapy となっているのは北米 69%ヨーロッパ22%、日本11%で違いがあり、その理由は不明
放射性ヨード治療で、バセドウ眼症が悪化することがある。
 
131I-labeled sodium iodide (Na131I) を甲状腺重量から計算して投与。
抗甲状腺薬は2-3日前から休薬
 
6-18週かけて細胞の壊死がおこる。
80-90%にhypothyroidism がおこる。
 
放射性ヨード治療後、4ヶ月後から妊娠可能。
5日間は子供と接しない。1.8メートルの距離を保つ。
妊娠中女性と10日間接しない。
5日間は、妊娠していない大人 non pregnant adultと1.8 m以内で2時間以上過ごさない。
出来ればbathroom を別にする。
 
感想
多分日本では入院治療で行われている。接触制限の期間がわかった。
甲状腺専門の伊藤病院(渋谷)のホームページで見ると、外科手術とアイソトープ治療はほぼ同数。
眼症があるとアイソトープでなく手術となるのだろうと思います。
アイソトープ治療後の妊娠許可が6ヶ月後ということ知りました。

Radioiodine Therapy for Hyperthyroidism

Douglas S. Ross, M.D.
N Engl J Med 2011; 364:542-550February 10, 2011
 
バセドウ眼症とチアゾリジン誘導体
http://diabetologistnote.blog119.fc2.com/blog-entry-87.html
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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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