アルドステロン拮抗薬 エプレレノンは、Class II 心不全患者で、心血管死と心不全による入院を減少させる。

NEJM 1月6日号には、アルドステロン拮抗薬 である Eplerenone が心不全患者(NYHS class II )で、心血管死、心不全による入院を減少させたという結果を掲載。 アルドステロン拮抗薬に関する3つ目の論文となる。

論文、editorial では、三部作 Trilogy としてまとめられている。
1. RALES  スピロノラクトンSpironolactone がclass III、class IV 心不全患者の死亡率と入院率を減少させた。
 
2. EPHESUS エプレレノン Eplerenone 左室機能異常を伴った心筋梗塞でmorbidity とmortality を減少させた。
 
3. EMPHASIS-HF エプレレノンが Systolic heart failure with mild symptom に対する心血管死と心不全による入院を減少させた。

NYHA functional class II heart failure のある2737人をランダムにプラセボとエプレレノンに振り分け
55歳以上(at least 55 years)、EF 30%程度 (no more than 30%)で、EF 30-35%の場合は、QRS duration >130 msec が適応
対象者の1/4の人に左脚ブロックがあり mean QRS duration は122 msec であった。
 
プライマリーアウトカムは心血管死あるいは心不全による入院で、エプレレノン18.3%、プラセボ25.9%となり、21か月のフォローアップで早期中止となった。
 
アルドステロンとコルチゾールによるミネラルコルチコイド受容体活性化が、心不全の病態生理に関係している。
ミネラルコルチコイド受容体の活性化はcardiac fibrosis と関係している。
ミネラルコルチコイド受容体の活性化は、ACE inhibitors、ARB、beta-blockerでは抑制できない。
アルドステロン拮抗薬は、extracellular matrix のturn over を減らす。(コラーゲンのbiomarker の測定により示された。)
 
抗アルドステロン薬の注目される理由
Structural change (好ましいcardiac remodeling) への期待
カリウム、マグネシウムを維持する作用
 
スビロノラクトンの薬価は安いので、副作用の問題がある場合にエプレレノンを検討する。
現在diastolic dysfunction、急性心筋梗塞でのスタディが進行中。
 
感想
カリウム保持作用と利尿作用で以前からスピロノラクトンは慢性期の心不全に使われてきた。
好ましいcardiac remodeling をもたらす薬剤として期待されているようです。
 


 

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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