ダビガトラン(プラザキサ)は3月14日発売

私はダビガトランが発売延期になったものと思い込んでいました。地震があった週の前半に講演会があり、そのとき、週明けの14日月曜日に発売予定と聞いていました。
3月11日に震災があり、14日は計画停電初日で、電車が止まり首都圏は大混乱。MRさんも訪問困難な状況だし、日経メディカルなどの記事でも眼にせず。
今日、地震後初めて、MRさんに会い、ダビガトランが予定通り、14日に発売になっていることを知りました。地震のため宣伝自粛していたとのこと。日経メディカルを見直すと16日付けで記事が出ていました。

薬価は
75mgカプセル 132.6円   110 mg カプセル 232.7円
 
150mg1日2回は、プラザキサ(75) 4C/2   132.6*4=530.4     1日薬価 530.4円
110 mg 1日2回は プラザキサ(110) 2C/2   232.7*2=465.4      1日薬価 465.4円
 
循環器病学会で、日本人のRE-LY試験の結果が詳しく示される予定であったけれど、循環器病学会は地震のため中止。 首都圏は電力不足で、多くの人を集め、電力を消費する学会は現在は難しい状況です。
4月に東京で行われる予定だった内科学会も延期であり、神経内科医、脳外科医、循環器内科医のダビガトランに関する評価を聞いたり、discussion する機会が、失われてしまった。

日本人のRE-LY試験の結果、および110 mg twice daily でなく150 mg twice dailyを通常量とする根拠が知りたいところでした。今日は日本人のデータが冊子となって配布されました。
 
脳卒中/全身塞栓症の発症率は 
プラザキサ150 mg twice daily n= 1/111   0.67%/年
プラザキサ110 mg twice daily  n= 2/107  1.38%/年
ワルファリン                         n=4/108   2.65%・年

ワルファリンに対するハザード比は、プラザキサ150 mg twice dailyが0.25、プラザキサ110 mg twice dailyが0.52で、両者ともワルファリンより良い結果。
ただプラザキサ150 mg twice dailyとプラザキサ110 mg twice dailyでの比較でハザード比は示されていない。
たぶん発症例数が少ないため比較できないのではないかと思います。あるいはそういう比較は統計学的に行わないものなのかもしれません。
 
心房細動がある場合に、ワルファリンによる抗凝固療法は脳血栓予防のために必要で、採血検査結果をみながらワルファリン量を調節してしっかり治療域にいれていくことが必要です。ワルファリン治療には納豆禁などの食事制限を伴う。
ダビガトランは決められた量を服用すれば採血のモニターなしでよく、食事制限もないなど、非常に良い薬だと思います。血栓予防効果もワルファリンと同等か優れていて頭蓋内出血の副作用も少ない。
しかし地震で学会が中止、延期となるなど情報不足の状況で発売となりました。
私自身は、神経内科などで広く処方され、併用薬の注意などの評価が定まってから使っていこうと思います。

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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