ACCODスタディ、5年間の結果

2008年2月、死亡率 (death from any cause) の増加により、ACOORD studyの強化療法は、標準療法と同様の治療へ移行。 その後のフォローアップの結果です。死亡率の差はスタディ終了時も認められていた。

ACCORDスタディまとめ
心血管病のハイリスクな参加者、35%に心血管イベントに既往、
開始前A1C7中央値は8.1%、罹病歴中央値10年
強化療法 Intensive therapy は、below 6.0%
標準療法 Standard therapyは7.0-7.9% 目標 (Targeting a level of 7 to 7.9%)
 
primary outcome ( nonfatal myocardial infarction、nonfatal stroke、心血管死のcomposite ) は、中止前までに両群で差がなかったが、死亡率 (death from any cause) が強化療法群で上昇(ハザード比1.21)。 2008年2月5日、3年7ヶ月で、強化療法は標準療法と同様な治療へ移行
 
強化療法群では、移行時点で、nonfatal myocardial infarction が抑制されていた(ハザード比0.79)、心血管死は有為差ないが上昇(ハザード比1.27 p= 0.07)
この結果はスタディ終了まで維持され、終了時の強化法群での、nonfatal myocardial infarction はハザード比0.82と抑制、心血管死は上昇(ハザード比1.29 p=0.02)。
 
移行時、標準療法に比べた強化療法群での死亡率(death from any cause) は21%上昇 (p=0.03)、終了時点では19%上昇 (p=0.02)

死亡原因リストは以下のとおり。
内容は心血管系が一番多い ( primarily cardiovascular)が、両群で死亡原因に明らかな違いはない。
Cardiovascular disease
 Unexpected or presumed cardiovascular disease
 Fatal myocardial infarction
 Fatal congestive heart failure
 Fatal procedure for cardiovascular disease
 Fatal arrhythmia
 Other cardiovascular disease
Cancer
Condition other than cancer or cardiovascular disease
Undermined
Identified through National Death index
 
強化療法群で死亡率が高くなった理由は不明。移行期(transitional period) 前後で低血糖の頻度は同じなので低血糖では説明できない。
 
移行前後のインスリン治療
強化療法 72.8%→67.9%
標準療法 53.0%→57.5%
 
移行前、強化療法では、A1C<6.0%を達成するため、多種類の経口薬を服用していた。
42%の参加者が3種類以上の経口薬を服用。
3種類以上の経口薬服用 (42%) の内訳は
インスリンなしで経口薬のみで17%が服用し、
インスリン併用の場合は25%が3種類以上の経口薬を併用していた。
 
標準療法では、3種類以上の経口薬服用は19%であった。
 
このようなunconventional な併用法が結果との関連しているのか、あるいは新しい治療薬、異なった組み合わせ、異なったターゲットA1Cにした場合に同じ結果となるかは明らかでない。
 
UKPDSでは、新規発症の糖尿病で、強化療法vs. 標準療法のA1C 7.0% vs. 7.9
この研究では10年の心血管効果は同等(neutral) であったが、20年後に心筋梗塞と死亡を減少させている。
 
感想
A1C<6.0%は JDSだとHbA1C< 5.6%であり、強化療法群ではかなり強力な治療をおこなった。
UKPDSでは、新規発症例でのA1C7.0%のコントロールが、微小血管症を減らし、長期的には心筋梗塞と死亡を減少させた。
ACCORD スタディ以後、target A1C はそれぞれの人で異なることが広く認識されるようになったと思います。
 
 


 
 

関連記事

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

最新記事
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
57位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
自然科学
10位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム