ドイツの大腸菌O104: H4 outbreakのまとめ

ドイツの大腸菌O104: H4 outbreakのまとめです。
hemolytic–uremic syndrome (HUS)の発症率が高く、大人、女性に多かったというのが特徴です。

2011年5月1日から6月18日までの集計結果
3222 outbreak cases で、39人が死亡
810 人 (25%) が hemolytic–uremic syndrome (HUS)を発症した。
HUS を発症したのは、ほとんどが大人であった。(89%; median age, 43 years)
大人の中で66%が女性
潜伏期の中央値は8日、下痢の発症からHUS 発症までの中央値は5日。
 
Outbreak strain は、O104:H4
全て、βラクタム系抗生物質( アンビシリンなど) およびに第三世代セフエムに耐性 、
フルオロキノロンの一部に耐性
 
血性下痢と腹痛 (bloody stool with abdominal clump) が大人の症状で、子供は嘔吐が多い。
O157:H7 では潜伏期が3-4日であるが、O104: H4は8日と長い。

1996年に起きた日本のO157 outbreak では、HUS を発症した21人すべて子供だった。今回のO104:H4 outbreak では大人の発症多い。HUS発症率も高い。
今回のstrain は腸管接着因子を欠いている。子供での病原性の点で、腸管接着因子は重要である可能性あり。一方、胃腸炎をともなった大人の散発症例から分離された  Shigatoxin-producing E. coli は、大部分が腸管接着因子を欠いていたというこれまでの報告がある。
 
HUS発症率が高い、大人、女性に多い理由は今のところ不明。
 
 1. Epidemic Profile of Shiga-Toxin–Producing Escherichia coli O104:H4 Outbreak in Germany ― Preliminary Report

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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