高血圧と利尿剤

Use of Diuretics in Patients with HypertensionN Engl J Med 2009;361:2153-64.
 
ALLAT では、chlorthalidone12.5mg とアムロジピン 、リシノプリル、ドキサゾシン を比較。ドキサゾシンは心不全がchlorthalidoneに比べ増加しており途中で中止。
Chlorthalidoneは、アムロジピン 、リシノプリルに比べ、主要複合エンドポイント(致死性冠動脈疾患、非致死性心筋梗塞)で有意差なし、心不全や脳卒中では、アムロジピン 、リシノプリルより良い結果であった。この理由としてはスタディの間、Chlorthalidoneでは、血圧改善が他の治療より良かったためとされている。

ALLHAT で、新規糖尿病発症は、chlorthalidone で、11.6%、アムロジピン 9.8%、リシノプリル 8.1% であった。サイアザイド使用のベネフィットを排除するような結果ではないが、潜在的な注意点(potential concern) であるということでした。
サイアザイドを使うと、RAAS 系活性化→kaliuresis→低カリウム血症がおこり、これがインスリン抵抗性を悪化させ、Dysglycemiaを誘発するということが想定されている。
Thiazide-Induced Dysglycemia: Call for Research From a Working Group From the National Heart, Lung, and Blood Institute
Hypertension. 2008;52:30-36;

まとめ
サイアザイド
Hydrochlorothiazide (HCTZ) は、bioavailability が強い(60-70%が吸収される)
ChlorthalidoneはHTCZ の約2倍効果が強い。
HCTZが、Chlorthalidoneと同等の心血管イベント予防効果があるかどうかは不明。
systemic resistance を減らすことで作用する。
サイアザイドは遠位集合管のナトリウムポンプに作用するので、Na制限をするとさらにサイアザイドの効果が強くなる。
Systolic BP 10-15, diastolic BP 5-10 下げる。
低レニン、ナトリウム感受性の高血圧に効く。
GFRが低下すると、ineffective になる。
Ca, 尿酸の排泄を下げるので、血中カルシウム、尿酸値を上げる。
カリウム、マグネシウム排泄を上げるので低カリウム血症、低ナトリウム血症になりやすい。
 
ループ利尿剤
長期的な降圧効果はサイアザイドの方が有効。GFR<30-40で、volume overload がある場合に適応となる。
 
カリウム保持性製剤、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬 、スピロノラクトンは腎機能が悪くても降圧効果が期待できる。
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糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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