Dapagliflozinと発がんリスク

SGLT-2 阻害薬、Dapagliflozinは、膀胱がんと乳がんのリスクを高めることが報告され、FDA advisory committeeは、7月19日、発がんリスクのため、 dapagliflozinの認可推薦を否決した。

7/19のFDA advisory committee で検討された治験データ
Dapagliflozin vs. control
膀胱がん 7例 (0.2%) vs. 0例
乳がん 9例 (全体の0.2%、女性の0.4%) vs. 0例
膀胱がんについては、Dapagliflozin 2例、 control 1例の追加報告がある。
 
膀胱がんの発症率は、
Dapagliflozin 207 cases per 100,000 person year exposure
Control 53 cases per 100,000 person year exposure
 
最初に報告された膀胱がん7例はすべて男性、60歳以上、Dapagliflozin 服用2年以内に発症、中央値は399日後(43-727日)。7例の併用薬は、3例がインスリン、2例がメトフォルミン、1例がpioglitazone 45mg を3年間服用。
 
Dapagliflozin では、genito-urinary adverse effect の評価のため、尿検査が頻回に行われたこともあるかもしれない。しかしpioglitazone の場合も同様なactive surveillance が行われたが、認可までに膀胱がんの報告はなかった。
 
FDA advisory committeeは、7月19日、発がんリスクのため、 dapagliflozinの認可推薦を否決した。
"An FDA advisory committee has voted 9-6 against recommending approval for the novel diabetes drug dapagliflozin. The panel has concerns about potential breast and bladder cancer risks and wants more data." - Medpage Today
 
感想
発がんリスクについては、データを見せられるととても疑わしい。
Medpage Today の記事によると、FDAは、FDA advisory committeeの採決に従う義務はないが、ほぼその通りになるということで、認可は難しくなったようです。FDAのfinal decision は10月28日です。

Dapagliflozin は、DPPIV阻害薬の次にくる薬としてかなり期待されていた。
phase 2、phase3 の治験に来て始めて発がんリスクが分かったということで、新薬を開発して、発売までたどりつくのはなかなか大変なことと実感しました。

FDAで検討された詳しいデータはこちら(14-20ページに膀胱がん、乳がんについての記載あり)
http://www.fda.gov/downloads/AdvisoryCommittees/CommitteesMeetingMaterials/Drugs/EndocrinologicandMetabolicDrugsAdvisoryCommittee/UCM262994.pdf
 
FDA Panel Rejects Diabetes Drug Citing Cancer Risks - Medpage Today
 
Bloomberg
http://www.bloomberg.com/news/2011-07-15/fda-says-bristol-astrazeneca-diabetes-drug-may-cause-cancer-1-.html

Reuters
 

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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