CKD における脂質治療 (SHARP study)

SHRP study は、End-stage renal disease (ESRD) および CKD を対象としたsimvastatin 20 mg+ ezetimibe 10 mg とブラセボの比較。
これまでの報告として、透析者を対象としたスタディで、cardiovascular event に対して脂質低下作用の有用性を示せていなかったがSHARPでは、cardiovascular event の抑制を認めたという結果です。


まとめ1, 2)
SHARP 9270人の内、3023人がdialysis-dependent、Follow up 4.9 yrでLDL cholesterol  0.85  mmol/L 下げ、major cardiovascular event を17%減少させた。主にcoronary revascularization が減少。生存率改善と腎保護作用は示せず。
脂質低下はCKD 患者でとくに動脈硬化イベントでbenefitあり。登録者時に冠動脈疾患既往者は除外している。
 
透析者を対象にしたAURORA、4D study では、cardiovascular event のエンドポイントで、スタチンの有用性を示せなかった。腎移植recipientを対象としたALETでも同様。
SHRPでは、規模が大きく、coronary end-pointを採用したため、 ESRD、CKDで、冠動脈疾患に対して脂質低下療法の有用性を示した。
 
CKD患者でsimvastatin plus ezetimibe の安全性を示した。ezetimibe の単独、あるいは併用療法は、広く認められているものではない (not universally approved)。スタチン単独療法をまず医師は選ぶはず。
End- stage renal diseaseでは、冠動脈疾患より、突然死 (cardiac death)が多い。今回のスタディで、冠動脈血管死が全体の8%しかなく、これがtotal mortality でプラセボと差をつけられない結果につながった。
Myopathy は、simvastatin + ezetimibe で2/10000 patients per yearと低い。
Comment で、End-stage renal disease では、cardiac death に対する
 
感想
ezetimibe のあたらしい結果かと思って読んでみたが、simvastatinにezetimibe を加えたことがどの位結果に寄与しているか不明。Comment で、End-stage renal disease では、cardiac death 対策の重要性を強調していたのが印象深い点です。
2008年NEJMに、Simvastatin plus ezetimibe でブラセボに比べ、がんの発症が増えたという報告があり3)、今回、がん発症率について問題なかったので、安全性に対する回答にはなっている。myopathy の発症率も少ない。

1. The effects of lowering LDL cholesterol with simvastatin plus ezetimibe in patients with chronic kidney disease (Study of Heart and Renal Protection): a randomised placebo-controlled trial
2. SHARP: a stab in the right direction in chronic kidney disease
The Lancet, Volume 377, Issue 9784, Pages 2153 - 2154, 25 June 2011
3. Intensive Lipid Lowering with Simvastatin and Ezetimibe in Aortic Stenosis N Engl J Med 2008; 359:1343-1356

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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