フィブラートとスタチンの併用

ACCORD-lipid で、スタチンとフィブラートの併用は、サブグループ解析においてある程度の効果を認めていた。しかしFADとしては、両者併用療法の心血管イベントへの効果はエビデンス不十分とみているようです。

まとめ
ACCORD-lipidにおいて、全体の17%を占める、中性脂肪 204 mg/dl、HDL-Cholesterol 34 mg/dlのサブグループ解析によると、スタチン+フィブラート併用療法は、スタチン単独療法に比べエンドポイントを31%減少させた。しかしこのサブグループはrandomized されたものではない。
 
全体の解析結果で、primary outcome rate が女性では38%上昇したのに対して、男性では18%減少した。性差についてはFIELD studyなどでは、報告されていなかった。
 
fenofibritic acid (Trilipix)はアメリカで、スタチンとの併用が認可された唯一のフィブラート製剤。
2011/5/19、FDAのEndocrine and Metabolic Drug  Advisory Panel はACCORD-lipid の結果を踏まえ、fenofibritic acidとスタチンの併用認可について再検討した。投票結果は 3人がmaintain、6人がreverse、4人が、withdrawalというcontroversial な結果だった。→適応は維持。
 
2型糖尿病患者で、心血管イベントを抑制するために、スタチンにフィブラートを上乗せる治療のベネフィットは証明されていない。
中性脂肪が高く、HDLコレステロールが低い糖尿病患者では、重要な臨床上のベネフィットを否定するものではない。この併用療法を選択する場合、内科医は、ハイリスク患者を選択して、スタチン治療によってLDLコレステロールが至適濃度となったのちに行うべきである。
 
"On the basis of the FDA review and committee deliberations, we conclude that the benefit of adding a fibrate to statin therapy in reducing the risk of cardiovascular events in patients with type 2 diabetes remains unproven. The possibility of important clinical benefit among patients with diabetes who have elevated triglyceride and low HDL cholesterol levels cannot be ruled out. Until sufficient evidence emerges, physicians who choose to prescribe this combination therapy should selectively target high-risk patients only after optimal control of LDL cholesterol has been achieved with statin therapy."
 
感想
ACCORD-lipid studyの結果で、高TG、低HDL血症の男性糖尿病患者で、スタチンにフィブラートを上乗せする治療の効果はある程度示されたと解釈していた。しかしFDAは、subgroup がランダマイズドされていないこと、これまでのスタディで、女性でharmful な結果が示されていない点で、ACCORD-lipid の結果を全面的に支持していない。スタディの解釈は難しい。
 
1. Fibrates in the Treatment of Dyslipidemias ― Time for a Reassessment N Engl J Med 2011; 365:481-484August 11, 2011

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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