小児発症糖尿病 (child-onset diabetes) の病理学的所見

Juvenile Diabetes Research Foundation (JDRF) が、死後に献体された、小児発症糖尿病 (child-onset diabetes) 20例の、膵臓所見を解析しています。

20例中14例は、インスリンのない膵島 (insulin-deficit islet)であるが、ductやacinar region にインスリン陽性細胞を認める。 血中C-peptideは0 ng/mlかnot available (NA)
 
多数のインスリン産生細胞のある6例は
葉状(lobular) に膵島が残っており、β細胞を含む膵島で、survivinとHLA class Iが発現しているパターンA、3例。血中C-peptide は、0.06、0、0.06 ng/ml
survivinは、がん組織のapoptosis抑制遺伝子、マウスでβ細胞特異的に欠失させると、β細胞数が減少し、生後4週で糖尿病を発症する。
 
すべての膵島にインスリン陽性細胞があるが、インスリン含量が低下しているパターンB、3例
血中C-peptide は、7.32、NA、0.67 ng/ml
 
感想
child-onset diabetesで、
①duct、acinar にのみインスリン陽性細胞が残る
② lobularに一部の膵島が残る。survivinとHLA class Iが発現しているので、1A型糖尿病の一部のタイプと考えられる
③膵島は保たれている(normal appearing) が、β細胞量が減っている。
の3つのパターに分けられた。
β細胞減少と再生の様子にはheterogeneityがあることが示されています。
 
1. Dimorphic histopathology of long-standing childhood-onset diabetes Diabetologia (2010) 53:690–698
 
2. Postnatal Expansion of the Pancreatic β-Cell Mass Is Dependent on Survivin Diabetes October 2008 vol. 57 no. 10 2718-2727
http://diabetes.diabetesjournals.org/content/57/10/2718.abstract
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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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