インスリン分泌に関連する代謝シグナル

「インスリン分泌の総説で、グルコース刺激による細胞内カルシウム上昇はそれほど多くなく、インスリン顆粒がbrake state から細胞膜へ放出されるには少ない。」1)という記述を読んで、代謝シグナルに興味を持ちました。

ちょうどDiabetes に代謝シグナルに関するreview 3)が出たので、一部まとめてみました。
Reactive oxygen species(ROS) 、Malonyl CoA、長鎖脂肪酸、ATP/ADP比の上昇が、グルコース応答性インスリン分泌の代謝シグナルと考えられている。
 
グルコースが膵β細胞に取り込まれると、
NAD(P)H上昇 21秒 (half-maximal)  4)
ATP/ADP 比の上昇まで45秒
Malonyl CoA の上昇まで < 1分
Malonyl CoA の上昇は細胞質の長鎖脂肪酸(LC-CoA) を増やす(100秒から325秒)
細胞質のCa2+ 上昇 114秒  4)
 
細胞内の酸化還元(Redox) は、NADH/NAD 比で規定される。
"Intracellular redox is defined as the ratio of reduced NADH to its oxidized partner NAD."
ROSはインスリン分泌を促進する。
 
FFAのactive formであるLC-CoA は、細胞内、細胞外から供給され、グルコース応答性インスリン分泌を促進する。

J Clin Invest. 1996 Jun 15;97(12):2728-35.
 
6. Acute stimulation with long chain acyl-CoA enhances exocytosis in insulin-secreting cells (HIT T-15 and NMRI beta-cells).J Biol Chem. 2000 Mar 31;275(13):9363-8.


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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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