2相性インスリン分泌と細胞骨格、small GTPase (1)

Diabetes 2月号の、1) で、OGTT で空腹時血糖のみ高いIFGは、インスリン分泌の第1相が低下、負荷後2時間値が高いIGTはfirst phase、second phase の両方が低下しているということが示されています。
Commentary2)より、
"They concluded that while first-phase insulin secretion was decreased in subjects with IFG, both first and second phases of insulin secretion were abnormal in those with IGT."
Commentary に引かれている論文3)からインスリン分泌のfirst phase、second phase についてまとめてみました。

まとめ
インスリン分泌の first phase は、readily releasable pool (RRP)  よりおこる。RRP は、10000個のmature なインスリン顆粒のうち、50-200 個のsmall pool よりなっていて、総インスリン顆粒の1% と概算される4)。

second phase は5-40 granules per cell per min で数時間にわたって(over a period of hours) 分泌される。量的には、second phase のインスリン分泌が重要である。

Microtubule networks
filamentous actin (F-actin) は、basal condition では、syntaxin-4 と結合して、SNARE-complex formation  をブロックするバリアとなるが、一方で、インスリン顆粒が細胞膜に向かうtransportation track の役割も果たす。
グルコース刺激下では、F-actin はreorganization され、インスリン顆粒が細胞膜に近づき、インスリン分泌がおこる。(Fig2)
インスリン顆粒は、microtubule の上をkinesin と結合し、local deliveryでは、actin track の上をmyosinVa と結合して移動する。(Fig3)

small GTPase
グルコース応答性インスリン分泌では、Cdc-42 とRac1が特に重要である。
Cdc-42 とRac1は、グルコース刺激によるactin remodeling を制御している。
Cdc-42はグルコース刺激後3分以内で、急速に活性化される。Rac1の活性化は15-20 分後までは明らかでない。
Cdc-42 とRac1のactivation form は細胞膜分画に存在する。Cdc-42は2分以内にGDP-bound form となってcycle back される。(グルコース刺激から5分以内)
F-actin depolymerization もグルコース刺激後、5分以内におこる。
Cdc-42は、syntaxin1A、VAMP2と結合することが示されている。
まとめ(2)につづく

1. Distinct β-Cell Defects in Impaired Fasting Glucose and Impaired Glucose Tolerance Diabetes February 2012 61:447-453
2. Prediabetes: Evaluation of β-Cell Function Diabetes February 2012 61:270-271 
3. Mechanisms of biphasic insulin-granule exocytosis - roles of the cytoskeleton, small GTPases and SNARE proteins. J Cell Sci. 2009 Apr 1;122(Pt 7):893-903. Free article

4. A Subset of 50 Secretory Granules in Close Contact With l-Type Ca2+ Channels Accounts for First-Phase Insulin Secretion in Mouse β-Cells diabetes.51.2007.S74
http://diabetes.diabetesjournals.org/content/51/suppl_1/S74.abstract

Fig2

 スライド1
Fig3

スライド1 

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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