糖尿病網膜症のレビュー2

糖尿病性網膜症が、Neurovascular unitのdamage という視点で書かれていて目新しかった。 VGEF がPKCを介して血管透過性をあげるため、網膜症の治療薬としてPKC阻害薬が第3相試験にはいっているということでした。
まとめ
グリコヘモグロビンは、糖尿病性網膜症進行の最も強力なリスクファクターである。しかしDCCTの結果では、網膜症リスクのわずか11%に過ぎず、血圧と総コレステロール値が9から10%を占める 
 
網膜症の病態生理に、metabolic control、レニンアンジオテンシンシステム、PPAR-α、VEGFが関係している。フェノフイブラートはPPAR-α作動薬 で、非増殖性網膜症の進行リスクを40%低下させた。(FIELD study)

ACCRD スタディでは、厳格な血圧コントロールは網膜症に影響しなかった。しかし厳格な血糖コントロールは網膜症の進行を予防した。

VGEF抗体療法は視力改善をしめす。
低容量のfluocinolone は白内障、緑内障を増加させない。
グルココルチコイドは網膜の炎症を減らし、tight junction protein の発現をあげ、blood-retina barrier のintegrity を回復させる。

VEFGがPKC isoform、PKC-β による ubiquitin mediated tight junction endocytosis を介して、網膜の血管透過性をあげる 。
animal study とinitial report ではRuboxistaurin により、PKC beta を抑制するとmacular edema が改善した。
FDAはruboxistaurin の認可前に confirmatory phase 3 study を要求している。

VGEFによるSrcの活性化も血管透過性亢進に関与している。
角膜への点眼で(topical application)で、VGEF受容体抑制と同時にSrc を抑制すると血管透過性が抑制される。

高血糖が PKCδの発現をあげる。PKCδは、Src-homology 2 domain containing tyrosine kinase phosphatase をregulate する。このphosphatase は、Akt signaling pathway を介してPDGF signaling pathway を抑制し、periocyte-cell death とvascular derangement を起こす。 periocyte-cell deathは透過性亢進となる。

糖尿病ではretinal neuron やグリア細胞も変化している。
 
肥満、糖尿病では、systemic inflammation があり、TNF-αなどが増加、microglial cellをactivate する。硝子体内グルココルチコイド注入による抗炎症療法やVGFF療法により網膜症や黄斑浮腫を改善させ、blood-retinal barrier を回復させることができる。

1. Diabetic Retinopathy N Engl J Med 2012; 366:1227-1239March 29, 2012



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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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