スタチンによるベネフィットと糖尿病発症リスク

スタチンが新規糖尿病発症リスクとなっている可能性も示されています。
NEJM誌のレビューでは、スラチンによる糖尿病発症リスクを研究することは重要なことだが、糖尿病でスタチンを使った脂質管理は、心血管イベント抑制のベネフィットがあり、スタチンを使っていくべきという内容です。
 
まとめ
スタチンは2400万人のアメリカ人に処方されている
LDLコレステロールを1mmol(39mg/dl)下げると、糖尿病患者で9%、非糖尿病患者で13%、心血管イベントを低下させる。

13のランダマイズドトライアル(参加者91140人)で糖尿病の新規発症のオッズ比は1.09
LDLコレステロールの変化と糖尿病発症リスクは関係しない。
新規糖尿病発症例は年齢が高く、空腹時血糖も高め、metabolic syndrome のfeatureをもっている。

細胞レベルでスタチンがインスリン分泌を抑制し、インスリン抵抗性を悪化させる可能性も示唆されている。しかしeuglycemic hyperinsulinemic clamp では、スタチンがインスリン感受性を変化させるというデータはない。
何らかのoff-target effect も関与しているのかもしれない。

糖尿病発症リスクをみたクリニカルトライアルの期間は比較的短いのに比べ、実際のスタチン使用は何年にも及ぶ。
糖尿病は重大な健康上の問題だが、スタチンによる脂質管理は心血管イベントを減らし、生存率を上げる。
現在のデータは糖尿病と診断された際に、スタチン治療を中止することを示唆するものではない。
 
Statins: Is It Really Time to Reassess Benefits and Risks? Allison B. Goldfine, M.D.
N Engl J Med 2012; 366:1752-1755
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp1203020

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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