ピオグリタゾンと膀胱がん イギリスでの報告

ピオグリタゾンと膀胱がんの論文が、BMJに掲載され、ADAのメルマガできました。これまでの報告より、リスクが少し高く出ているようです。ベネフィットとリスクを秤にかけて、ベネフィットが多い人には処方するというスタンスにはかわりはないと思われます。

論文より
イギリスprimary care databaseでの調査、Mean age 64歳、4.6年のフォローアップ
115727 例の新規糖尿病薬処方例で、470 例が膀胱がんの診断をうけた。(89.4/10万人)
フォローアップ1年後以降の発症が、376症例で、6699例のコントロールと比較した。(nested-cohort study)

ピオグリタゾン服用で、膀胱がんのリスク1.83倍、服用期間に伴い増加する。
24ヶ月以上服用で1.99倍、蓄積容量28000 mg で2.54倍
ロシグリタゾンでは、膀胱がんのリスク増加はなく、容量、服用期間による影響も認められない。
イギリスの65歳以上で、膀胱がんの発症率は、73人/10万人、2型糖尿病で膀胱がんの発症率が高いため、この集団の膀胱がんの発症率 (89.4/10万人)は高い。
今回のスタディの結果、ピオグリタゾンを高容量、長期間服用すると膀胱がんの発症が88例/10万人から137例/10万人に増加する。

まとめ
nested-cohort study は発症頻度が少ないケースで使われるようです。
男女差について、触れていない。
膀胱がんのリスク増加は、同じクラスの薬、ロシグリタゾンにはない、ビオグリタゾン特有の現象というのはこの論文で初めて読みました。
日本で、40歳以上男性の膀胱がん罹患率を調べてみたら、男性40/10万人、女性 10/10万人位でした。
 
1. The use of pioglitazone and the risk of bladder cancer in people with type 2 diabetes: nested case-control study BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.e3645 (Published 31 May 2012)

2. 日本で、40歳以上男性の膀胱がん罹患率(国立がん研究センターがん情報サービス)
グラフから読み取ると
男性40/10万人、女性 10/10万人程度
ほぼ同時期にでた、イギリスでピオグリタゾンと膀胱がんは関連なしという論文

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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