脂質代謝のまとめ

Glucogenic amino acidなどをハーパー生化学で調べてから、気になっていた脂肪代謝についても調べてみました。メトフオルミン治療で太りにくい理由、インスリンで太りやすい理由の一端がハーパー生化学に書いてありました。
脂肪合成に、アセチルCoAカルボキシラーゼが重要で、メトフォルミンがAMPKを介してアセチルCoAカルボキシラーゼ活性を下げるということもあるようです。

脂肪合成 lipogenesis
アセチルCoAカルボキシラーゼによるアセチルCoAからマロニルCoAへの変換が脂肪酸合成の最初のステップであり、この経路をコントロールしている反応である。
 
アセチルCoA カルボキシラーゼ-は、AMP-activated protein kinase (AMPK)により抑制される。
AMPKは、AMPKKにより活性化される。AMPKKが、cAMP-dependent protein kinase により活性化される。
 
アセチルCoAカルボキシラーゼ↓ ←AMPK ← AMPKK ← cAMP-dependent protein kinase
 
インスリンは細胞内cAMP濃度を下げ、グルカン、エピネフリンはcAMP濃度を上昇させるため、AMPKを介して、インスリンは脂肪合成を促進、グルカゴンは、脂肪合成を抑制する。1)

追記 (2014/1/23)
インスリンは、二つの経路で脂肪酸のプールを増加させる。脂肪細胞では脂肪酸がエステル化され、トリグリセライドとなる。
 
①血液中の中性脂肪から脂肪酸合成を促進する。
血液中のLipoprotein lypase (LPL) は、Lipoprotein 中の中性脂肪から脂肪酸とグリセロールを生成する。インスリンは、PI3K を介して、LPL 活性とmRNA発現を増加させる。
 
②インスリンはAkt を介してAMPKを抑制、ACCを活性化、de novo lipogenesis が増加する。
Acetyl-CoA carboxylase (ACC) は、Acetyl-CoA からMalonyl-CoAを生成し、脂肪酸合成のkey enzyme である。
AMP-activated protein kinase (AMPK) は、リン酸化によりACCを不活性化する。インスリンにより刺激されたAkt は、直接AMPK をリン酸化し不活性化する。その結果、ACCの脱リン酸化と活性化が起こり、Malonyl-CoA産生が増加し、de novo lipogenesis が増加する。3)

アセチルCoAカルボキシラーゼ↑ ←AMPK ↓←Akt ←インスリン


脂肪分解lipolysis
脂肪組織のTriacylglycerolは重要なエネルギー源、  Triacylglycerol → 脂肪酸 + グリセロール
 
脂肪酸はアセチルCoAとなり、クエン酸回路にはいる。
(ピルビン酸カルボキシラーゼは不可逆な酵素。脂肪酸からきたアセチルCoAでは糖新生は起こらない。)1)2)

肝臓ではケトン体 (アセチル酢酸、β ヒドロキシ酪酸、アセトン) ができる。この経路は飢餓時(prolonged fasting) でのエネルギー供給に重要
 
アセチル酢酸、β ヒドロキシ酪酸は、筋肉などで、酸化が起こりアセチルCoA に変換され、クエン酸回路に入りエネルギー源となる。アセトンは、生体内でさらに酸化できず、大部分は肺から揮発する。

脂肪酸の合成
 

1. Harper's Illustrated Biochemistry, 28th Edition (LANGE Basic Science)
Chapeter16、23、25

2. Glucogenic amino acid、Ketogenic amino acid、脂肪酸からは糖新生はおこらない。
 

 


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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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