GLP-1による腎保護作用

GLP-1には血管内皮保護作用があり、糖尿病モデルマウスで腎病変を保護する作用が知られていたがメカニズムは明らかでなかった。
①GLP-1がアンギオテンシンII のリン酸化を抑制することにより腎保護作用を示す。
②高血糖によりPKCβ2が活性化されると、GLP-1受容体の発現は低下し、angiotensin II の作用は増強される。
という報告です。

まとめ
GLP-1受容体は、糸球体内皮細胞に発現している。
高血糖や、PKCβ2 をアデノウイルスで発現させると、GLP-1受容体の発現は低下する。

GLP-1はc-Raf(Ser259) のリン酸化を誘発。この作用は、Angiotensin II-phospho-c-Raf(Ser338)とErk1/2 phosphorylation を抑制する。
その結果、アンギオテンシンII 作用を抑制する。

PKC
β2 を内皮細胞に発現させたトランスジェニックマウスで、STZを使って糖尿病を発症させると、ワイルドタイプよりも尿アルブミンが増え基底膜の厚さ、Mesangial matrix fraction 、コラーゲン4染色、フィブロネクチン染色、PAI-1染色で腎症の所見が強い。

高血糖によりPKC
β2 が活性化されると、GLP-1受容体の発現は低下し、angiotensin II の作用は増強される。
 
STZで誘導した糖尿病マウスで、高血糖は糸球体GLP-1受容体の発現を減らさないという報告や
db/dbマウスの糸球体でGLP-1受容体が減少していて、extend-4が腎病変?を回復させたという報告もある。

感想
今年の糖尿病学会で、DPPIV阻害薬による腎保護作用の発表を見ましたが、そのメカニズムはまだわかっていないようでした。この論文はGLP-1の腎保護作用メカニズムを明らかにしており、興味深く読みました。


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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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