GLP-1は食後の脂質プロファイルを改善する。

GLP-1受容体作動薬、DPP4阻害薬ともに食後の脂質プロファイルを改善させることが報告されています。1)
local GLP-1が腸管のカイロミクロンの分泌をコントロールしている。
外因性のインスリン投与では変化せず、インスリンを介する作用ではない。5)

まとめ
1. GLP-1が腸管でのカイロミクロン分泌をコントロールする。
GLP-1受容体作動薬、DPP4阻害薬は、healthy volunteer、糖尿病患者で、食後(テストミール)のトリアシルグリセロール、遊離脂肪酸(FFA)を低下させている。LDL cholesterol particle のサイズを大きくすることも報告されている。

・healthy volunteers 14人 GLP-1 infusion は食後のトリアシルグリセロール(TAG)、FFAを減らす

・12人の2型糖尿病、インスリンにGLP-1 注射を5日間、GLP-1注射2日間、VLDL-TAGが減少、LDL cholesterol particle のサイズを増加させた。

・35人、double-blind crossover study、exenatide 1日1回注射は、食後のTAG、ApoB-48、plasma remnant lipoprotein cholesterol を減らす。fat-rich meal の後、8時間後まで効果が続く。脂質の低下は朝食後4時間の間に認められ、その間の血中インスリ値は変わらない。
GLP-1受容体作動薬では、食後の高脂血症改善効果がgastric empting 抑制によるものかどうか考慮が必要。

・ビルダグリプチン4週間の治療、は食後のTAG、カイロミクロン-TAG、カイロミクロン-ApoB48、カイロミクロン-コレステロールを低下させる。fat-rich meal の後、8時間後まで効果が認められる。

・シタグリプチン、36人の double-blind crossover study、6週間服用後、食後のトリアシルグリセロール、ApoB-48、FFAを低下させる。

食後の脂質プロファイルの改善は、GLP-1受容体作動薬とDPP4阻害薬ともに認められているので、食欲抑制、胃排出能抑作用に依存しない効果。
local GLP-1が腸管のカイロミクロンの分泌をコントロールしている。

肝臓のリポプロテイン代謝に直接作用しているかはunclear
マウスの単離した肝細胞で、GLP-1受容体mRNA のentire open reading frame はdetect されていない。
ヒトの肝生検、ヒトhepatoma cell line HepG2細胞では、RT-PCRとwestern blotting でGLP-1受容体タンパクの発現は認められている。
 
2.GLP-1が交感神経を介して脂肪酸化を促進する
糖尿病患者20人で、Randomized cross-over control study、ビルダグリプチン7日間の治療後、食事負荷試験の結果では、ビルダグリプチンは、
・食後の血漿中ノルエピネフリンをあげる。
・脂肪組織でグリセロールと乳酸濃度を上げ、筋肉で乳酸、ピルビン酸は抑制
・プラセボに比べ、食後の呼吸商が低下する。(脂肪が燃焼していることを示す)

この試験では、空腹時および食後の静脈血インスリン、グルコース、グリセロール、トリグリセライド、脂肪酸は変わらなかった。


ビルダグリプチンが交感神経を介して食後の脂肪酸化を亢進させている。
 
"Moreover, endogenous GLP-1 signaling is essential for the control of intestinal lipoprotein biosynthesis and secretion."  
 
 

"Although increased level of insulin may also reduce plasma triacylglycerol levels and ApoB-48 secretion form intestine, administration of exogenous insulin did not affect lipid absorption, ruling out insulin as a mediator of sitagliptin's or exendin-4's effects on postprandial lipemia."  
脂質プロファイルの改善はインスリンを介するのではない。

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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