認知機能低下は重症低血糖のリスクとなる。ACCORD-MIND trial

ACCRD study では登録時に認知機能テストを行っており、HbA1Cが高いと認知機能スコアは低下していた。
ACCRD studyの期間中、ベースラインの認知機能スコアが低いと重症低血糖をおこすリスクが高い。
血糖コントロールの目標を決める際には認知機能も考慮するべきという結果です。

まとめ
ACCRD study では登録時に4つの認知機能テスト( DSST、MMSE、Ray auditory Verbal Learning Test、Stroop Test) を施行。

HbA1Cが高いとDSST score が低いという結果が、すべての回帰モデル(linear regression model) で認められた。1)
 
3.25年のフォローアップの結果、ベースラインのDSST score の 5ポイント低下は、最初の重症低血糖(hypoglycemia requiring medical assistance) の予測因子となる。ハザード比1.13

DSST score の低い3分の1群では、重症低血糖のリスクが2倍となる。
過去に重症低血糖があると、リスクは4倍になる。
他の認知機能テストでも、ベースラインのスコアが低いと重症低血糖のリスクが高いことを示していた。
 
20か月で行った認知機能テストのスコアがベースラインより大幅に低下していると、低血糖のリスクが増加する。強化療法群と従来療法群で、認知機能スコアが低血糖リスクに与える影響は同様であった。
 
2型糖尿病で、認知機能の低下は、重症低血糖のリスクとなる。
糖尿病の安全なマネージメントのために、認知機能を評価する必要がある。2)
 
感想
ACCRD study の登録者は62.2±6.8歳、 median glycated hemoglobin  8.1%となっていた。3)
この患者背景では、血糖が高いと認知機能が低く、認知機能が低いと治療にともなう重症低血糖が起こりやすいという悪循環になっている。若い年齢での、糖尿病早期介入の必要性をしめしていると思われます。
 
2012年アメリカ糖尿病学会の指針では重症低血糖がある場合、A1Cの目標は厳格でなく、HbA1C 8.0% 未満でもよいとなっています。4)
 





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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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