インスリンはパルス状に門脈に分泌されていて、肝臓のインスリンシグナルに関係する遺伝子発現を制御している。(Diabetes 9月号)

Diabetes 9月号のインスリン分泌と肝臓のインスリン抵抗性に関する基礎的な論文です。
インスリンはパルス状に門脈に分泌されていて、肝臓のインスリンシグナルに関係する遺伝子発現を制御している。インスリンが門脈に分泌されるのは約5分サイクル、インスリンとソマトスタチンは同期している。

まとめ
インスリンは、約5分間隔で門脈にパルス状に分泌される。
パルス状のインスリン分泌は、総インスリンの70%を占める。
この分泌リズムは、細胞内 Ca oscillation rhythm によりコントロールされている。

インスリンとソマトスタチンは同期して分泌されるが、グルカゴンはインスリンが分秘されない phase で分泌される。

犬で300分間、インスンを門脈にパルス状あるいは持続注入、ほかの膵島ホルモンおよびブドウ糖を静注した。インスリンパルス状に注入すると血糖値が moderate に低下する。

マウスでインスリンを門脈にパルス状注入。インスリン持続注入では、パルス静注に比べ、肝臓のIRS-1、IRS-2、Alt、FOXO1のリン酸化が低下、グルコキナーゼのmRNA発現が低下した。

インスリンがパルス状に分泌されることが血糖制御と組織のインスリン抵抗性に関与している。

感想
犬で、インスリン持続注入とパルス状注入を行うと徐々に血糖が低下する効果が非常に印象的でした。

1. Loss of Pulsatile Insulin Secretion: A Factor in the Pathogenesis of Type 2 Diabetes? Diabetes September 2012 vol. 61 no. 9 2228-2229

2. Pulsatile Portal Vein Insulin Delivery Enhances Hepatic Insulin Action and Signaling Diabetes September 2012 vol. 61 no. 9 2269-2279
(1,2は半年間有料記事です。)

3. Glucose generates coincident insulin and somatostatin pulses and antisynchronous glucagon pulses from human pancreatic islets.Endocrinology. 2009 Dec;150(12):5334-40. Epub 2009 Oct 9.

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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