装着可能な人工膵臓(Artificial Pancreas) 、初の治験2例の報告

持続血糖モニター(CGM)、インスリンポンプの改良、コンピューターを使った血糖コントロールのアルゴリズムの開発でCGM ― Algorism ― インスリンポンプ という、closed-loop system による血糖コントロールが可能となってきている。
 
これまでは医療機関に入院しての使用で、今回、Diabetes Care 9月号では、医療機関の外で人工膵臓を使用した結果を公開している。人工膵臓は、スマートフォンの大きさまで小型化されています。デバイス間はBluetooth、リモートサーバーでのモニタリングは3G 回線が使われていた。
まとめ
症例 イタリアで38歳女性、フランスで、52歳女性、インスリンポンプを使用した1型糖尿病、白人
使われた人工膵臓(AP) はバージニア大学で開発され、ソニー Xperia スマートフォンをベースとして作られた。
 
持続血糖モニター(CGM) 、インスリンポンプ
 Bluetooth
Communication Box
University of California Santa Barbara/Sansum Artificial Pancreas System 
CGM とインスリンポンプのコミニュケーションを担っている。
 Bluetooth
 ソニー Xperia スマートフォン
低血糖を避け、一定領域に血糖値を入れるアルゴリズム(control algorism)を作動させる人工膵臓を搭載
バージニア大学で開発された。
↓  3G
 リモートサーバー
インスリンポンプ、センサー、システムテクニカルデータをモニターする。
 
1日目はホテルで。Omnipod (インスリンポンプ) をつけ、人工膵臓を開始する。これまでのインスリン設定を継続し(open-loop mode) リモートモニタリングを開始。20時にレストランで自由に食事をとる。
 
2日目は医療機関へ行きホテルへもどる。医療機関で人工膵臓はautomated closed-loop control に替え、18時にホテルにもどり、20時にレストランで食事をとる。食前のインスリンは人工膵臓が提示してきた量を本人が承認する。基礎インスリン量、補正インスリン量は人工膵臓で行う。
 
3日目はホテルで。30分ウオーキングも行う。
 
スマートフォンに搭載されたアルゴリズム、モニタリングシステムは問題なく作動した。
コミニュケーションボックスでは2度不具合がありスタッフが対応した。
血糖値70 mg/dl未満や、270 mg/dl 以上も認められず。
今回の症例で、装着可能な人工膵臓が実現可能であり安全であることが示されたが、今後も検討が必要である。
 
感想
CGMとインスリンポンプ を動かす南カリフォルニア大のシステムを取り入れたことも、closed-loop system の進歩につながっている。
この論文はバージニア大のグループで、ほかにケンブリッジ大のグループでも人工膵臓を開発している。
 


人工膵臓、closed-loop system の報告
バージニア大学から、入院で38人にclosed-loop systemを使った報告。
 
上の論文のレビュー
 


かなり詳しい内容

以下はケンブリッジ大学グループ
レビュー
 
1型糖尿病の妊婦への使用例
 
2010年、Lancet の論文


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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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