GPR40は、Gαq/11、DAG、PDK1を介してグルコース応答性インスリン分泌の第2相を増強する。

GPR40下流のシグナリングをGPR40欠損マウスでの検討した論文です。(Diabetologia 10月号)
長鎖脂肪酸(オレイン酸)→ GPR40 →Gαq/11、DAG、PDK1→F-actin depolimerization→グルコース応答性インスリン分泌第2相の増強となる。2月のLancet の記事で、GPR40の下流はPKCとなっていたが、PKD1が重要な役割をはたしている。

G protein -coupling receptor (GPR) 40 は、長鎖脂肪酸により活性化され、グルコース応答性インスリン分泌を増強する (potentiate) 。
GPR40 は、G protein subunit Gαq/11とカッブルし、Gαq/11は、PLCをactivateする。PLCは細胞膜のリン脂質からDAG、IP3を産生する。
 
DAGはPKD1のSer-744、Ser-748 のsequential activation および Ser-916 のautoactivation を起こす。
DAGはPKD1 C1 domain にbinding し、PKD1が細胞膜に移動 (translocation) するのを促進する。
 
PKD1は、セリン/スレオニンプロテインキナーゼであり、atypical PKC 、PKC(μ)と同一
 
グルコース16.7 mmol/l+ オレイン酸0.5 mmol/lでは、グルコース16.7 mmol/lよりsecond phase が大きくなる。
GPR40-/-マウスで、オレイン酸によるインスリン分泌増強は低下。
オレイン酸は、GPR40 を介してグルコース応答性インスリン分泌の第2相を増強する。
GPR40-/-のisletでは、オレイン酸によるPKD1リン酸化は起こらないが、DAGは、wild type、GPR40-/-ともに効果がある。

GPR40-/-マウスの結果から、GPR受容体は、オレイン酸によるインスリン分泌第2相増強の約1/2を担う。
 
PKD1 阻害薬 rottlerin はオレイン酸によるインスリン分泌増強を完全に阻害する。
PKCδは、DAGが活性化するPKC isoform で、rottlerin により阻害され、またPKD Ser-744/748 をリン酸化する。
PKCδ欠損マウスで、オレイン酸によるインスリン分泌増強作用は保たれていた。従ってPKCδではなくPKD1が、オレイン酸によるグルコース応答性インスリン分泌増強に重要である。
 
細胞骨格のreorganizationは、インスリン顆粒の細胞膜へのアクセスを促進する。F-actin 染色の結果では、グルコース非刺激下でF-atinはplasma membrane 側に位置する。
グルコース+オレイン酸で、GPR40-/-では、wild type に比べF-actin のdepolymerization が低下している。
 
PKD1は、F-actin のリモデリングにかかわるGTPase RhoA、p21 activated kinase などいくつかのタンパクをリン酸化する。
 
IP3がどの程度インスリン分泌に関与しているかunclear
IP3によるカルシウム上昇はGPR40 agonist によるインスリン分泌に影響しないという報告がある。
 
G protein-coupled receptor (GPR) 40-dependent potentiation of insulin secretion in mouse islets is mediated by protein kinase D1 Diabetologia (2012) 55:2682–2692

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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