ノロウイルス感染症

ノロウイルス感染症のレビューです。免疫力の低下した患者では、ウイルスの変異株が多種類存在し、ウイルスの排出が遅れるため感染が遷延しやすい (NEJM 11月29日号)。
まとめ
ノロウイルス Norovirus は莢膜のないsingle-strand RNA ウイルス、
1990年代半ばから、ヒトでoutbreak を起こすのはgenotype GII.4
 
経口でウイルス粒子が20個入っただけで感染する。免疫力のある成人では、潜伏期24-48時間
 症状が改善したあともウイルスは便から排出され、感染源となる。
 
診断には、便のRT-PCRあるいは定量的RT-PCRを行う。CTでは、小腸に限局したbowel wall edemaを示す
ウイルスの変異により、症状、重症度、immunocompromised hostでの慢性化に違いはない
 
感染のacute phase の便中に、免疫力ある患者では2種類のvariant しか認めない。
Immunocompromised host では頻度の少ないvariantが多数存在する。
 
ノロウイルスのクリアランスには、T細胞が重要。
 
ノロウイルスのワクチン、抗ウイルス薬はない。ワクチンはヒトとチンパンジーで試みられている。
リバビリンは明らかな効果を示せず。
Immunocompromised host でNitazoxamine の症状軽減効果が報告されたが、ゲノムの報告がなく、ウイルス排出も治療後1ヶ月続く。
 
Immunosuppressive drug の種類 class がウイルスのクリアランスに影響する。
antimetabolite (Azathioprine, Mycophenorate) をmTOR inhibitor (Sirolomus, Everolimus) に変更すると、サイトメガロウイルス感染症に対する抗ウイルス効果が認められた。
手洗いが唯一、有効な手段
 
子供と免疫不全患者の病棟のsurveillance では、80%の表面に21の異なったノロウイルス認められている。

感想
2009年に続いてNEJM誌のノロウイルスに関するレビューです。頻度の高い疾患を継続的に取りあげていて、得られる情報も新しい。
今、日本で流行しているノロウイスは、GII/4 2012変異株(仮称)です。NEJM誌のレビューを読むと、変異株による重症度の差はないと考えられているということでした。
 
 

 

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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