健康に年を取っていくための食事

2009年、アカゲザルで食事制限が糖尿病、心血管病、年齢関連死を減らすことが報告された。しかし2012年のNIA study では、年齢関連死は減少せず。実際、食事制限で寿命を延ばすことができるのか?という疑問に対するレビューです。(NEJM 12月27日)
NIA study では、コントロールで、自由に食事をとるのではなくある程度制限がかかっていたため、結果が再現できなかったのではという考察となっています。

まとめ
種を超えて食事を減らすと寿命がのびることが報告されている。
インスリン、IGF-1 (insulin-like growth factor) 、target of rapamaycin は栄養を感知するネットワークである。
 
WNPRC study
2009年アカゲザルを用いた20年間のスタディ結果が報告された。
自由に食事を取るコントロール群に比べ、コントロールの70%の食事をとるアカゲサルでは、年齢関連死亡が少なく、糖尿病、がん、心血管病、脳萎縮が少ない。
 
NIA study
2012年、NIA studyでは、糖尿病と癌は減少するが、心血管病、年齢関連死亡 は減少せず。
 
WNPRCでは、コントロールで自由に食事を取らせていたのに対し、NIA のコントロールは決まった食事にしており、自由に取らせるのに比べ量が制限されていた。NIA のコントロールは、WNPRより体重が少ない。
NIAでは、コントロールでWNPRCに比べ食事制限がかかっていたため、食事制限によるbenefit が示されなかった可能性がある。
 
また、二つのスタディで食事の組成が異なり、WNPRCでは蔗糖 (Sucrose) が30%, NIAでは4%で、WNPRCの方が糖尿病の発症率が高い。
 
疫学調査では、BMI、18歳からの体重増加と、心血管病、糖尿病、がんのリスク、死亡リスクが関連していることが示されている。
食事療法のbenefitは、現在のBMIによるかもしれない。カロリーだけでなく、食事の組成も重要。
 
感想
依然として食事のカロリーと内容を考えて食べることが健康で年をとっていくために重要ということでした。
Although the NIA study did not show the reduction of age-related death, caloric restriction is important for healthy aging. 

1. Diet and Healthy Aging Linda Partridge, Ph.D. N Engl J Med 2012; 367:2550-2551 December 27, 2012 DOI: 10.1056/NEJMcibr1210447
 
2. Caloric restriction delays disease onset and mortality in rhesus monkeys.Science. 2009 Jul 10;325(5937):201-4. doi: 10.1126/science.1173635.

3. Impact of caloric restriction on health and survival in rhesus monkeys from the NIA study.Nature. 2012 Sep 13;489(7415):318-21. doi: 10.1038/nature11432.PMID: 22932268 

4. With TOR, less is more: a key role for the conserved nutrient-sensing TOR pathway in aging. Cell Metab. 2010 Jun 9;11(6):453-65. doi: 10.1016/j.cmet.2010.05.001.


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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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