Obesity paradox とは

ACCOMPLISH 試験のベナゼプリル+利尿剤群で、肥満者の方がプライマリーアウトカムがよいというObesity paradoxが認められるので、調べてみました。

まとめ
心不全や、冠動脈インターベンションを受ける患者ではBMIが増えるほど有病率、死亡率が低下し、Obesity Paradox と呼ばれている。高血圧を伴う冠動脈疾患でのスタディでも、正常体重に比べ肥満者は心血管イベントが少ない。
冠動脈疾患を伴った高血圧患者22576人のスタディでも、プライマリーアウトカム(死亡、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中)に対するハザード比は、過体重者 0.77、肥満者0.68
 
心血管病でObesity paradox がなぜ起こるのか、想定されているメカニズムは以下のとおり。
①体重が正常な方がhigh risk なcoronary artery anatomy をもつ。肥満者の方がcalcification area が広い。
 
②痩せた心不全患者は、肥満者よりもTNF-αや他のサイトカイン濃度が高い。
肥満者ではsoluble TNF receptor の産生が多い。Soluble TNF receptor は、TNFαを中和する。
 
③肥満が心血管病のhigh risk phenotype と知られているので、早期に心臓の治療が始まる。
 
④肥満者の高血圧はcardiac output および体液量が多く、抹消の血管抵抗は低い。全身的な血管抵抗は、高血圧性の心血管病の重症度と関連している。
 
⑤肥満が、単独で心血管病のリスクとなるか議論がある。
 
⑥ウエストヒップ比、内臓脂肪の方がBMIよりも肥満に関連したhealth risk の指標となる。男性よりも女性の方がBMIと心血管病の関連は低い。
 


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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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