IAPP oligomer はユビキチンプロテオソームシステム、オートファジーを阻害する。

IAPP のレビューです。(Diabetes 2月号)IAPP oligomer は、細胞内の小器官膜を障害し、ユビキチンプロテオソームシステム、Autophagy の阻害によりβ細胞の機能障害を起こす。
 
ヒトのβ細胞は20歳までに増殖 (replication) するがβ-cell mass には個体差がある。インスリン分泌の負荷がかかるとER でIAPP などのunfolded protein の産生も増える。ユビキチンプロテオソームシステム、オートファジーで処理しきれなくなると β細胞機能障害がおこるというストーリです。

まとめ
膵島のアミロイドに直接的なtoxic effect があるか懐疑的な意見もあった。しかし最近、膵島やneuroscience の分野で、protein misfoldingと疾患の関連が指摘されている。
 
IAPPのmisfoldingと、oligomerization
IAPP oligomer は、リボン状あるいはtwisted morphology となり、集積して円柱状構造のfibril を形成する。(形成しない場合もある。)
IAPP oligomer がアミロイド線維 (amyloid fibril) を形成するとless toxic となる。
Fibril のらせん構造は、陰性にチャージした脂質の存在下で起こる。
分泌されず細胞質に存在するIAPP molecule は、misfoldとなり、膜のintegrityを阻害する。
 
IAPPは37アミノ酸からなり、IAPPモノマーはtoxicではない。Toxic oligomerは、pro-IAPPから形成されることが多い。
ProIAPP は 89アミノ酸からなる。ProIAPP oligomerは ER、ゴルジ体で、IAPPはインスリン顆粒で形成され分泌される。
Toxic oligomer はER membrane に作用し、ERから細胞質へカルシウム放出を促進、カルシウムのhyperactivityを誘導、apoptosisとなる。
 
β細胞外のアミロイド線維は2型糖尿病と、まれに(occasionally) 非糖尿病の膵島に認められる。β細胞外アミロイドの病的意義は不明。
 
Ubiquitin/Proteasome System 
ERで合成されたquality不良なタンパク、misfolded proteinは、細胞質へ移動し、ユビキチン化され、プロテオソームで分解される。脱ユビキチン化酵素(UCH-L1など)によりユビキチンは再利用される。
Proinsulinの約30%程度が質的に不良で、合成されたインスリンのうち、一部のみが分泌される、
 
Autophagy/Lysosomal Pathway
Misfolded protein が凝集した場合、二重膜で包まれ、autophagosomeが形成される。Lysosomeにより加水分解される。
中枢でβアミロイドのクリアランスが低下するとアルツハイマー病となる。
 
IAPP oligomerは、ER、Golgi、小胞、ミトコンドリアの膜を壊し、さらにER ストレスを起こす。UCH-L1を阻害することでユビキチンプロテオソームシステムに作用する。さらにAutophagy/lysosomal pathwayにも影響し、β細胞の機能障害とapoptosis を起こす。
 
加齢によりUbiquitin/Proteasome system、Autophagy/Lysosomal pathwayが減弱する。
2型糖尿病ではAutophagyが減弱している。3)
 
ヒトのβ細胞は20歳までに増殖するが、β-cell mass には個体差がある。4)
出生後のβ細胞増殖 (replication) に関わる遺伝子 として、CDKAL1、CDC123/CAMK1D (calcium/calmodulin-dependent protein kinase ID) が知られている。 5)
 
WFS1はERのunfolded protein や、ER homeostasis に関わる遺伝子である。
 
肥満、妊娠でインスリン抵抗性が増加するとインスリンとIAPP の分泌と分解がβ 細胞への負荷となる。
 




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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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