グルカゴン分泌 (1)

グルコースはグルカゴン分泌を抑制する。α細胞で、グルコースがグルコキナーゼにより代謝されることが必要。


グルコースはα細胞のグルコキナーゼ活性化を介してグルカゴン分泌を抑制する。1)
グルコース18 mg/dl (G1) に比べグルコース126 mg/dl (G7) はグルカゴン分泌を抑制し、G7に比べグルコース540 mg/dl (G30) はさらに抑制。
 
GK activator RO280450でもグルカゴンを抑制し、代謝されない3-O-methyl-D-glucoseでは抑制しないので、グルコースの代謝産物が重要。α細胞でグルコキナーゼ活性が刺激されることがグルカゴン分泌を抑制すると推定される。
 
KATPチャネルが、形成されないマウスSUR-/-で、グルコースはグルカゴン分泌を抑制。
ソマトスタチン欠損マウスSst-/- で、グルカゴン分泌はSst+/+に比べて低下しているもののグルコースによるグルカゴン抑制は認められる。(G1に比べG7で抑制)
 
α細胞ではGLUT1 (GLUT2でなく)、グルコキナーゼが発現している。

トルブタミドはG7でグルカゴン分泌を促進する。1)
トルブタミドは、G1ではグルカゴンの分泌を促進しないが、G7で促進する。
 
Sst-/-では、トルブタミドが、G1でもグルカゴン分泌を促進する。
トルブタミドは、ソマトスタチンを介してグルカゴン分泌を抑制。
 
KATP channel の閉鎖は直接的にα細胞を刺激、間接的にδ細胞のソマトスタチン分泌を抑制することによりグルカゴン分泌を促進する。
 
感想
1) は、複雑な論文で理解するのに時間がかかりました。
生理的にはマウスの膵島でグルコースはグルカゴン分泌を抑制する。(G30=480 mg/dlまで確認)
 
グルコース刺激はソマトスタチンを介してグルカゴン分泌を抑制していると考えられていたが、Sst-/- でもG1に比べG7でグルカゴン分泌が抑制されたので、ソマトスタチンは必須でないことが示された。
 
Sst-/- ではSst+/+に比べ、ベースのグルカゴンは減少。
 
膵島内でα、β、δの3つの細胞がParacrine で働くので複雑なシステムです。
 

関連記事

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

最新記事
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
68位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
自然科学
11位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム