糖尿病キャンプでのArtificial Pancreas のトライアル

イスラエルのグループからArtificial Pancreas (AP) の報告です。
イスラエルのグループから、糖尿病キャンプ(10歳から18歳対象)でArtificial Pancreas (AP) の報告です。APの方が、Sensor-augmented insulin pump よりも低血糖のエピソードが少なく、血糖値 60 mg/dl未満となる期間も短かい。平均血糖もAPの方が良いという結果となっています。

まとめ
イスラエル、スロベニア、ドイツの糖尿病キャンプで、10歳から18歳の1型糖尿病、56人
夜間に、最初の夜間にAP、次の夜間にセンサー付きインスリンポンプ (Sensor-augmented insulin pump)、あるいはその逆でスタディをおこなった。キャンプでは、水泳など普段の学校生活を送る。
データーの信頼性を高めるため、夜中3時間ごとに、末梢血の血糖値も測定した。

Sensor-augmented insulin pump(コントロール)
Paradigm Veo (持続血糖モニター機能をもつインスリンポンプ)、Enlite Sensor を使う。
Paradigm Veo は、血糖値が降下し始めるとアラームをだし、危険な低血糖でアラームに応じないとインスリン注入を止める機能 (Low Glucose Suspend) がついている。
今回、センサーアラームは、>350 mg/dl、<75 mg/dl で、アラーム値を変更したり、アラームをオフにしてもよい。
 
Artificial Pancreas (AP)
ワイヤレスで、fully-automated closed-loop system であり、personalized system setting が可能となっている。ラップトップPCに搭載されている。
 
APの方が低血糖のエピソードが少なく、血糖値が、60 mg/dl未満となる期間も短い。平均血糖もAPの方が良いという結果。
limitation としては、一晩のみの、クロスオーバースタディであること、夜間、3時間ごとのセンサーキャリブレーションを行った点。
 
APは病院から自宅での使用に変わる移行期であり、普段の生活が再現される糖尿病キャンプでのトライアルが試みられた。
 
感想
まず夜間の臨床結果を蓄積して実用化を目指すのが妥当な方向かと思いました。
コントロールとなったParadigm Veo はセンサーから血糖値を検知しアラームを出すことが可能となっている。
日本でも持続血糖モニターが個人持ち可能になり、Paradigm Veo が使えるようになってほしいもの。
 


Paradigm Veo
 
Enlite Sensor
 
Schneider Children’s Medical Center のHP

関連記事

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

最新記事
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
110位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
自然科学
14位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム