高中性脂肪血症の治療

Hypertriglyceridemia. N Engl J Med 2007;357:1009-17.
http://content.nejm.org/cgi/content/full/357/10/1009
 
20079月の高中性脂肪血症に関する総説。
アメリカで、ナイアシンが認可されていることもあってか、この総説ではフィブラートの評価が思ったほど高くない。
アルコールに関しては重症な高中性脂肪血症がなければ適当量(moderate alcohol intake)可と、意外と寛容でした。
 
要約
高中性脂肪血症をおこす遺伝性疾患-家族性複合型高脂血症(FCH)、低αリポプロテイン血症(人口の1%
2型糖尿病は人口の5%、この両者で冠動脈疾患の50%を占める。
単一遺伝の家族性高中性脂肪血症は冠動脈疾患との関連はない。
FCHはアポBが上がり、家族性高中性脂肪血症はアポBが低い。
 
検査
非空腹時の中性脂肪が冠動脈疾患との関連があるという報告があるが、正常値がないので、非空腹時の中性脂肪測定は推奨されない。
nonHDL 値(T-chol – HDL)は中性脂肪が多いリポプロテインコレステロールを示し、LDLコレステロールに比べ、より良い冠動脈疾患発症の予測因子である。
 
治療
治療上の問題は、中性脂肪を減らすか、あるいはIDLLDLHDL異常を補正するのかということ。中性脂肪10001500 mg/dl 異常の場合は膵炎を減らすため、フィブラートで治療する。
減量は、中性脂肪を減らしHDLを上げる。
禁煙は体重を増やしたとしても脂質プロファイルを改善する。
アルコールは、動脈硬化性の心血管疾患を減らすが、血圧を上げたり、脳出血のリスクを上げる。
適当量のアルコール(moderate alcohol intake)―男性2杯/日、女性1杯/日はアルコール依存がなければ許容。
TG 2000 mg/dl を超える重症な高中性脂肪血症があれば禁酒すべき。
TG500 mg/dlより低ければ、適当量のアルコールは排除しない。

冠動脈疾患の既往あるいは家族歴があれば投薬治療を開始。ニコチン酸は、small, dense LDLを減らしHDL2を上げる。フィブラートは非致死性心筋梗塞を減らすが、非致死性の冠動脈疾患、死亡率は変わらなかった。

ガイドラインでは、
LDLがターゲットレベルに達したら、中性脂肪が200mg/dlを超えないようにすることを推奨している。(これをサポートするデータはまだない。)
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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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