1型糖尿病の成因

糖尿病学会で1型糖尿病の成因についてremind されたのでまとめをました。胸腺でインスリンの発現低下が1型糖尿病の発症に関与していること、また最近はT細胞が関わる獲得免疫だけでなく自然免疫反応が選考していることが確かめられてきた。
胸腺でインスリン発現低下が1型糖尿病発症のリスクとなる。
β細胞特異的に破壊される原因はインスリンがエピトープの一つであるため、胸腺のインスリン発現が低下すると、インスリンを認識するT細胞が胸腺でapoptosis をescape して末梢血に出現する。1, 2, 3)
 
IDDM2 はインスリン遺伝子発現を調節するtandem repeat 部 (variable number of tandem repeat, VNTR) に相当する。1型糖尿病の発症に関連するIDDM2 class I allelesは (26-63 repeats) 、 class III alleles  (140-210 repeats) に比べ胸腺のインスリン発現が低下している。4, 5)
 
マウスでMafAを欠損させると胸腺でインスリンの発現が低下し自己抗体が出現する。6)
 
自然免疫 (Innate immunity) と獲得免疫 (Adaptive immunity)
1型糖尿病では、膵β細胞に反応するT細胞がclonal に増殖し、この反応は獲得免疫 (Adaptive immunity) 分類される。
最近、T細胞の増殖に先立っておこる、好中球 (neutrophil) 、樹状細胞 (dendritic cell)、インターフェロンαなどを介した自然免疫 (innate immunity) の反応の重要性が注目されている。7, 8, 9)
 
DR4 をもつ1型糖尿病患者の膵臓リンパ節では、insulin A 1-15 epitope を認識するT細胞のclonal な増殖が見られる。
 
HLA-A2 (A*0201 allele) はGWS で1型糖尿病との関連が指摘された。HLA-A2+をもつ新規発症1型糖尿病の50%では、プレプロインスリンのリーダーシークエンス由来のself-peptide epitope に対するCD8+ T 細胞が存在する。3)
 
2に対するコメント、詳しい図があります。
 

NODマウスの検討、β細胞特異的なT細胞の反応に先立って、好中球 (neutrophil) 、樹状細胞 (dendritic cell)、インターフェロンαなどを介した自然免疫 (innate immunity) の反応も起こる。
 
分かりやすい図があります。
 
1型糖尿病の発症に先立って末梢血のneutrophil が減少する。好中球は膵外分泌腺に認められ、小血管に限局する。好中球の減少は慢性的なウイルス感染の間接的なevidence かもしれない。
 

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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