インクレチン関連薬と膵炎、膵がんリスク(BMJ)

BMJは、インクレチン関連薬と膵炎、膵がんに関する2報を掲載、両者の直接の関連については否定している内容です。

まとめ
製薬会社が行った解析では、ヒトとマウスでインクレチン治療による膵炎、膵がんの増加はない。
膵神経内分泌腫瘍はまれであるが、剖検 (postmortern study) で、silent pancreatic neuroendocrine tumor が、高齢者の0.8-10% に認められる。糖尿病ではより比率が増加する。したがってインクレチンの治療を受けていた糖尿病患者がインクレチンによりpancreatic neuroendocrine tumor が発症したとするのは合理的でない。1)
 
グルカゴンシグナル抑制が、マウスでα細胞過形成を起こす。
しかしFDAの、薬の安全性を評価するレビュアーの見解は、
「げっ歯類、犬、サルに対するインクレチン関連薬の長期スタディでは、グルカゴン抑制が、ヒトでの使用で明らかなリスクとなる膵臓での有害な病理所見、毒性を起こすとは証明できていない。」2) としている。
 
The FDA maintains that: “Long-term studies of incretin mimetics in rodents, dogs, and monkeys failed to demonstrate adverse pancreatic pathology or other toxicology reflective of a glucagon deficit that could be interpreted as a clear risk to human subjects.” 
 



一方、製薬会社が情報を充分に開示していないのでないかという記事ものせています。
Potential harms of type 2 diabetes drugs have been ignored, finds BMJ investigation
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f3782 (Published 11 June 2013)




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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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