欧州医薬品庁European Medicine Agency によるインクレチン治療に対する見解。

欧州医薬品庁European Medicine Agency によるプレスリリースです。
「インクレチン関連薬で、膵臓に対する副作用(pancreatic adverse events) のリスクが増加するという懸念は確証できない。」としています。
"The Committee concluded that presently available data do not confirm recent concerns over an increased risk of pancreatic adverse events with these medicines. "
クリニカルトライアルで少ないが膵炎が報告されているため、すべてのインクレチン関連薬に膵炎の警告を入れている。2014年に明らかになる大規模スタディにより、膵臓に対するリスクが明らかになる見込みです。

簡約
委員会はGLP−1による糖尿病治療のレビューを終了した。現在入手できるデータでは、この治療により、膵臓に対する副作用(pancreatic adverse events) のリスクが増加するという懸念は確証できない。
 
インクレチン治療により、膵炎、pancreatic-duct metaplasia のリスクが増加することが報告された。これらは移植ドナーの少ない膵組織サンプルでの検討に基づくものである。
 
Committee for Medicinal Products for Human Use (CHMP)  は、これらの報告で、方法論の限界、バイアスがあり、より重要な点として、結果の解釈に重要な年齢、性別、罹病期間が比較された群の間で異なっていると考えている。
 
CHAMPは、更に、全ての入手可能な非臨床及び臨床データをレビューした結果、pancreatic adverse events のエビデンスが変化した訳ではない。 
 
クリニカルトライアルで、数が少ないが膵炎が報告されている。さらに注意深く解釈する必要があるが、膵炎の症例報告 (spontaneous reports)がある。これらすべての治療薬の製品情報に、すでに膵炎の警告が示されている。
 
がんに関しては、クリニカルトライアルの結果からはこれらの薬剤でリスクは増加していない。しかし、最終的結論にいたるにはイベント数が少なすぎる。
β細胞を刺激しα細胞を抑制するというメカニズムから、長期使用効果については不確定な要素があり、データの蓄積が続いている。
 
副作用は注意深くモニターされ、European Medicines Agency (EMA) に定期的に報告されている。これらのリスクを明らかにするスタディも進行中である。リスクマネージメントプランは、これらの結果で更新される。
2011年から膵臓に対するリスクを明らかにする二つのスタディが行われている。
 
26/07/2013  
Investigation into GLP-1 based diabetes therapies concluded.
No new concerns for GLP-1 therapies identified on the basis of available evidence.
 

関連記事

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

最新記事
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
97位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
自然科学
13位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム