DPP4阻害薬のrandomized trial

Saxagliptin の randomized trial (SAVOR-TIMI 53)、2.1年のフォローアップで、プライマリーエンドポイントは両群で同等。
フォローアップ期間が短いこと、血糖コントロールの差が少ないこと、併用薬(スタチン、抗血小板薬、降圧薬)のために心血管死などに差がつかなかったという考察でした。Saxagliptin で、慢性膵炎、急性膵炎のリスク上昇なし。
 
同時に掲載された、Alogliptin の EXAMIN trial も、medial-follow-up periodが18ヶ月と短く、プライマリーエンドポイントに差がつかない。
 
DPP4阻害薬の心血管イベント抑制効果への期待は高かったですが、2年程度では、心血管病リスクはプラゼボと同じという結果でした。
心血管リスクを下げるには血糖値、血圧、脂質ともにントロールする集学的治療で、長期継続することが必要ということを感じました。

まとめ
2型糖尿病、心血管イベントハイリスク患者、16,492人、Saxagliptinとプラセボの randomized trial、フローアップ2.1年
ブライマリーエンドポイントである心血管死、心筋梗塞、虚血性脳卒中で、発症率に差はつかない。
心不全による入院がSaxagliptin で多い。(3.5% vs. 2.8%, HR1.27,  P=0.007).
急性、慢性膵炎の発症は両群で同じ。
 
プライマリーエンドポイントで差がつかなかった原因
①二年のフォローアップが短すぎる。UKPDS では、診断された直後の low risk 患者で、フォローアップ10年後に心筋梗塞のリスク減少がみとめられた。
 
②血糖コントロールレベルで、コントロールとSaxagliptinの差が少ない。(A1C で、0.2~0.3%)
スタチン、抗血小板療法、降圧薬などが心血管リスクを軽減するので、両群の差を打ち消しているかもしれない。
 
Saxagliptin で心不全による入院が多いのは、false positive かも知れないが、進行中の他のスタディで確認する必要がある。
 
Saxagliptin and Cardiovascular Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes Mellitus
September 2, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1307684  
 
Alogliptin after Acute Coronary Syndrome in Patients with Type 2 Diabetes
September 2, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1305889 

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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