GLP-1受容体作動薬の胃排出能抑制に対する tachyphylaxis

リクセナチド の講演会に行ってきました。長時間作用型GLP-1受容体作動薬は、短期間作用型に比べ、胃排出能抑制がききにくくなり、食後の血糖が上昇しやすいことが注目されている。

まとめ
短期間作用型GLP-1受容体作動薬であるエクゼナチドの食後血糖低下のメカニズムは、内因性(肝臓の)糖産生を50%程度に抑制することと、(胃排出抑制などにより)消化されたグルコースが血中に出現する割合が減少するため。1)
 
長時間作用型GLP-1受容体作動薬は、胃排出能抑制効果が減弱する。
持続的にGLP-1受容体を活性化することが、迷走神経活性化レベルで、tachyphylaxisをおこしている。
長時間作用型GLP-1受容体作動薬は、短時間作用型に比べ、食後血糖の上昇が大きくなる。2)3)
 
週1回エクゼナチド注射と1日2回注射の比較試験 (Duration1 study)では、週1回注射の方が、空腹時血糖低く、A1Cの低下が大きい。週1回注射で、グルカゴン抑制が高いためとされている。
 
感想
週1回注射という簡便さをとるか、あるいは短時間作用型で食後血糖管理を優先させるべきなのか考えていく必要がある。
 

エクゼナチドが食後血糖を低下させるメカニズムは、内因性(肝臓の)糖産生を50%程度に抑制することと、(胃排出抑制などにより)消化されたグルコースが血中に出現する割合が減少するため。
 

9人のhealthy volunteers での検討。
GLP-1持続注入時に
朝食ではコントロールにくらべ胃内容量が低下しないが、昼食ではコントロールとの差が少ない。
朝食後の血糖は開始前より低下するが、昼食後の血糖値は上昇となる。迷走神経活性化の指標であるpancreatic polypeptide は、朝食後に低下し、昼食後は低下していない。
GLP-1 による胃排出遅延は、迷走神経活性化のレベルで、急速に tachyphylaxis をおこしやすい。
"The GLP-1-induced delay in gastric emptying is subject to rapid tachyphylaxis at the level of vagal nervous activation. As a consequence, postprandial glucose control by GLP-1 is attenuated after its chronic administration."
 
 

 
 

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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