SGLT2の阻害では、代償的にSGLT1でのグルコース再吸収がおこる。

Diabetes 10月号のSGLT2阻害薬のレビューを読みました。生理的状態で、尿細管でグルコースの再吸収は180g/day、そのうち145g /day がSGLT2 を介する再吸収だが、SGLT2阻害薬投与下では55−60g/day 尿糖を排泄するのみ。予測される尿糖再吸収抑制の30%~50%の効率となっている。
この理由は、SGLT2を阻害すると、代償的にSGLT1 を介して尿糖再吸収が起こるため。SGLT2阻害とSGLT1 のPartial inhibition のある薬剤で、消化器症状が起こらないことが報告されているので、SGLT2だけでなくSGLT1をある程度阻害する薬剤の開発も必要でしょうという内容でした。

まとめ
生理的条件で腎臓は、180 g/day のグルコースをろ過する。(空腹時血糖値100mg/dlx18L)
SGLT2は、low affinity、high capacity
SGLT2は145g/day 、SGLT1は15-20 g/ 170-180 g (10-15%)のグルコースを再吸収する。
 
SGLT2が、グルコース再吸収の80-90%を担っているが 、SGLT2阻害薬、Dapagliflogin、Canagliflozinは、55-60 g/dayの尿糖を排泄し、薬量を10倍に増やしても排泄量は増加しない。
SGLT2を阻害しても、遠位側のSGLT1で代償的にグルコースが再吸収されるため。
尿糖排泄率 (fraction of glucose excreted in the urine) から予測すると、SGLT1を介したグルコース再吸収は、120g/day まで可能である。
 
尿糖吸収阻害の効率を上げるためには、SGLT1も阻害も必要。
Canaglifloginや、LX4211のように、SGLT1のpartial inhibitionであれば消化器症状はおこりにくい。
 
SGLT2阻害薬開始前のA1Cが高いほど、SGLT2阻害薬によるA1C低下率も高くなる。
Dapagliflogin 5mg のA1C低下率 A1C10~12% で、-2.65% A1C~8%で、-0.55%
 
感想
SGLT1の代償作用も働くので、尿糖が少ない状態では、SGLT2阻害薬のA1C低下効果は低い。
 
Abdul-Ghani MA, Defronzo RA, Norton L. Novel Hypothesis to Explain Why SGLT2 Inhibitors Inhibit Only 30–50% of Filtered Glucose Load in Humans
Diabetes October 2013 vol. 62 no. 10 3324-3328 
http://diabetes.diabetesjournals.org/content/62/10/3324.abstract
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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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