腸内細菌の代謝産物 TAMO が、心血管イベントリスクを増加させる。

食物中のコリンや、L-カルニチンは、腸内細菌により、trimethylamine (TMA)に代謝される。TMAは、血中に入り肝臓で、trimethylamine-N-oxide (TMAO)となる。
TAMOの血中濃度が高値の群は心血管イベントリスクが高いことが報告されています。

TMAOと動脈硬化 
・マクロファージのスカベンジャーレセプター(CD36、scavenger receptor A) をアップレギュレートする。→foam cell の増加 
 ・肝臓に向かうReverse cholesterol transport を抑制する。
 ・ステロールの代謝を変え、胆汁酸合成を減らす。
 
健常者で、抗生物質投与後にTMAOが低下する。 
PCIを受けた患者4000人以上を3年モニターした結果、血中のTMAOが高い群は、イベント発症率が高い。1)
 
心機能を評価中の2595人で、血中の TMAOが一番高い群は、心血管イベントリスクと相関する。3) 
 
菜食主義者は、TMAOの産生が少ない。
アポEノックアウトマウスで、カルニチンのサプリメントは、腸内細菌を変化させ、TMA と TMAOを増加させる。抗生物質によりTMAO が低下し、カルニチン負荷は動脈硬化性プラークが増加する。

通常食(雑食 omnivore) では、腸内細菌 ClostridiaceaeとPeptostreptococcaceae がTMAO 産生と関係している。3)
 
日本人は、海苔など海藻の摂取が多く、海のバクテリアが腸内に存在する。食習慣により、腸内細菌が変化することを示している。4)  
 
感想
L-カルニチンは赤みの肉に含まれる。赤みの肉摂取が心血管イベントリスクをあげることを説明している。この過程には腸内細菌が関与している。
 




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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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