GLP-1作動薬は、正常血糖のマウスで、膵β細胞量を減少させる。

GLP-1作動薬は、正常血糖のマウスで、インスリン感受性とインスリン分泌を増加させ、膵β細胞量は減少させる。
膵重量が増加し、腺房細胞が増加する。炎症性マーカーは正常範囲内。
 

C57BL マウスにリラグルチドを0.1 mg/kg 、6週間投与した。
体重が減少、ITTでのインスリン感受性は良い。糖負荷試験でのインスリン分泌は増加する。 
高脂肪食負荷のインスリン抵抗性を改善させる。
膵β細胞量は減少、 α細胞量も減少するので、α cell to β cell ratio は保たれる。
β細胞の減少は1週間後には認められる。リラグルチド治療に適応した結果と考えられる。
 
膵重量は増加し、腺房細胞が増殖する。Ductal cell proliferation はない。
pro-immflamatory cytokines (IL-1β、IL-6、MCP-1)の血中濃度はコントロールとかわらず。
(腺房細胞の増加は炎症によるものではない。) 1)
 
腺房細胞にGLP-1受容体が発現しているか、いまだに明らかでない。
製薬会社がおこなったpreclinical study でpancreatic mass 増加の報告はない。
リラグルチド52週の治療をおこなったメスのサルで、pancreatic massが増加したという報告があるが、87週投与のサルの報告ではpancreas mass は増加していない。
ラットでは、GLP-受容体作動薬による腺房細胞の増殖が起こらない。2)
 
感想
正常血糖のマウスでは、リラグルチドが、インスリン感受性を上げ、インスリン分泌を増加させる。
β細胞量は減少し、腺房細胞が増加する。炎症性サイトカインの増加は認められていない。
 
炎症をみとめていないので、膵炎の所見とは異なっている。
インクレチン関連薬がヒトで膵炎を誘発するという懸念を支持する結果ともいえない。
 


 
関連記事

テーマ : 勉強日記
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

最新記事
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
68位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
自然科学
11位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム