2型糖尿病の高グルカゴン血症、腸管由来のグルカゴン

2型糖尿病では、正常血糖クランプ下のグルコース注入 (isoglycaemic i.v. glucose infusions (IIGIs)) で、グルカゴン分泌抑制が認められるが、経口糖負荷でグルカゴンの抑制は認められない。
 
健常人では、経口糖負荷25gとIIGIsでグルカゴン分泌は抑制されるが、経口糖負荷量が増加するともにグルカゴン値は上昇する。1)
 
2型糖尿病で、経口糖負荷によりグルカゴン分泌が上昇する理由1)
① 腸管由来のグルカゴン (Gut-derived glucagon secretion)
腸管内分泌細胞のL細胞からグルカゴンが分泌される可能性
L細胞では、proglucagon から、PC1/3により GLP-1とGLP-2が産生される。
α細胞では、proglucagon から、PC2 によりglucagon が産生される。1, 3)
腸管内で、高濃度グルコース負荷となった場合に、L細胞でもPC2によりグルカゴンが産生される可能性がある。
 
② 腸管からグルカゴン分泌促進因子が分泌される。(glucagonotropic factors released from the gut in response to the oral glucose)
腸管で分泌されるGIPが、グルカゴン分泌促進に働く。
 
1. Bagger JI, Knop FK, Lund A, Holst JJ, Vilsbøll T. Diabetologia. 2014 Aug;57(8):1720-5.  Glucagon responses to increasing oral loads of glucose and corresponding isoglycaemic intravenous glucose infusions in patients with type 2 diabetes and healthy individuals.

 2. Holst JJ, Pedersen JH, Baldissera F, Stadil F (1983) Circulating glucagon after total pancreatectomy in man. Diabetologia 25:396–399
膵全摘後もグルカゴンが測定される。
 
3.  Rouillé Y, Westermark G, Martin SK, Steiner DF. Proc Natl Acad Sci U S A. 1994 Apr 12;91(8):3242-6.
Proglucagon is processed to glucagon by prohormone convertase PC2 in alpha TC1-6 cells.
α細胞では、PC2によりプログルカゴンからグルカゴンが分泌される。
 

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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