DPP-4阻害薬の多面的血糖降下作用

DPP-4阻害薬には、GLP-1の増加によるインスリン分泌刺激以外に、多面的な血糖効果作用がある
 
・腸管局所で、DPP4活性の抑制が、intact GLP-1を増やし、自律神経を活性化する。1)
 
・膵島にDPP-4が発現し、DPP-4阻害薬が、膵島α細胞から分泌されるGLP-1の分泌を増強している。1, 2)
 
・DPP-4阻害薬は、血糖コントロールに影響する、GIP、SDF-1、PACP の不活化も抑制している。1)
 
GIP
低血糖誘発実験で、GIPを注入していると、グルカゴンが増加し、グルコース注入量が減る。
DPP-4阻害薬はGIPを増加させるので、低血糖時を予防する作用があるかもしれない。3)
 
SDF-1
膵島に発現し、cellular injury で発現が増加する。
SDF-1は、α細胞で、PC1/3の発現を増加させる。
酸化ストレス、glucolipotoxicity の存在下で、SDF-1が、α細胞のGLP-1産生を増加させる可能性がある。
 
PACAP 
intraislet nerve で分泌され、insulinotropic effect がある。
 
1. Omar B, Ahrén B.Diabetes. 2014 Jul;63(7):2196-202. Pleiotropic mechanisms for the glucose-lowering action of DPP-4 inhibitors.

2. Omar BA, Liehua L, Yamada Y, Seino Y, Marchetti P, Ahrén B. Diabetologia. 2014 Sep;57(9):1876-83. 
Dipeptidyl peptidase 4 (DPP-4) is expressed in mouse and human islets and its activity is decreased in human islets from individuals with type 2 diabetes.

ヒトの膵島では、α細胞にDPP4が発現し、β細胞にはほとんど発現しない。
ビルダグリプチンは、ヒトの膵島で、intact GLP-1分泌を増加させる。グルコース濃度2.8mMと16.7mM でGLP-1の分泌量はほぼ同じ。
ヒトではインスリンとDPP4活性は正の相関、ヒトの2型糖尿病では膵島のDPP4活性が低下している。インスリンがDPP4活性を制御している可能性もある。
 
マウスの膵島(C57BL6) ではβ細胞にDPP4が発現し、α細胞での発現は弱く、somatostatin とは共染しない。マウスでは、高脂肪食負荷でDPP4活性は増加する。
 
3. Christensen M, Calanna S, Sparre-Ulrich AH, Kristensen PL, Rosenkilde MM, Faber J, Purrello F, van Hall G, Holst JJ, Vilsbøll T, Knop FK. Diabetes. 2014 Jul 22. Glucose-Dependent Insulinotropic Polypeptide Augments Glucagon Responses to Hypoglycemia in Type 1 Diabetes.

 

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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