DPP4阻害薬の腎保護作用(2)

リナグリプチンが、
①血管内皮からメサンギウム細胞への転換 (endothelial-to-mesenchymal transition) を抑制、
② microRNA29を回復させる作用により
1型糖尿病マウスの腎線維化を抑制する。リナグリプチン投与下でも高血糖は持続しており、この腎線維化抑制は、血糖値改善とは独立している。
 
streptozotocin で誘導した1型糖尿病モデルマウスでは、糖尿病誘導24週で、DPP4の発現量が増加している。
 
糖尿病誘導20週後からリナグリプチンを4週投与、糖尿病マウスDPP4の発現量は低下、尿アルブミンは改善する。
 
血管内皮マーカー(CD31) と、メサンギウム組織マーカー(αSMA FSP1)が共染する細胞数が、リナグリプチンにより減少した。リナグリプチンが血管内皮からメサンギウム細胞への転換を抑制している。
 
TGF-βは、microRNA29を抑制し線維化を誘導する。
糖尿病誘導マウスの腎臓ではmicroRNA29が低下、リナグリプチン投与では、microRNA29 の発現が回復した。リナグリプチンがmicroRNA29 の回復を介して腎線維化を抑制している。
 
1. Kanasaki K. et al. Diabetes. 2014 Jun;63(6):2120-31. Linagliptin-mediated DPP-4 inhibition ameliorates kidney fibrosis in streptozotocin-induced diabetic mice by inhibiting endothelial-to-mesenchymal transition in a therapeutic regimen.

2. Panchapakesan U, Pollock CA Diabetes. 2014 Jun;63(6):1829-30. DPP-4 inhibitors-renoprotection in diabetic nephropathy?

3. He Y , Huang C, Lin X, Li J. Biochimie. 2013 Jul;95(7):1355-9. doi: 10.1016/j.biochi.2013.03.010. Epub 2013 Mar 28. MicroRNA-29 family, a crucial therapeutic target for fibrosis diseases.

 

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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