L細胞のglucose sensing とGLP-1分泌

L細胞は、β細胞と同様の分泌機構を持つが、SGLT1を介したグルコース取り込みがGLP-1分泌量を決めている。
 
SGLT1を介したグルコース取り込みとGLP-1分泌
ラット腸管近位部のみ残して切除したモデルで、腸管のグルコース濃度が高いほどGLP-1分泌は多く、血管内グルコース濃度が高くても効果がない。
 
腸管側にナトリウムなければグルコースによるGLP-1分泌は起こらない。
αMPGは non-metabolized sugar で、SGLUT1の基質となりGLP-1分泌を促進する。
SGLT-1阻害薬は、αMPGとグルコースの効果を棄却する。
 
GLUT2によるグルコースの取り込み
GLUT2阻害薬は、グルコースとα-MGPのGLP-1分泌を抑制した。
管腔側のGLUT2を介して取り込まれたグルコースもGLP-1分泌に関与している。
GLUT2による取り込みはelectrical neutral 
高血糖はSGLT1とGLUT2の発現増加をもたらし、GLUT2の発現増加にはSGLT1が必須。3)
 
KATP channelを介したGLP-1分泌の修飾
VDCC阻害薬ニフェジピン、KATP channel-opener、Diazoxideによるhyperpolarization によりGLP-1分泌は抑制される。50 mM KClは、GLP-1分泌を促進し、ニフェジピンの効果を棄却する。
KATP channelは、L細胞のelectrical toneを制御し、GLP-1分泌反応をmodulateしている。
 
スルフォニルウレアは、ラット腸管モデルでGLP-1を分泌するが、ヒトで、治療域のスルフォニルウレアがGLP-1分泌を促進することはない。
その理由としては、
① SGLT1を介するGLP-1分泌刺激は短時間で起こる。スルフォニルウレアの効果は食事に対するGLP-1のビークがおさまってからとなる。
② L細胞に比べ、β細胞の方がはるかにKir6.2、SUR1の発現が多いため。
があげられる。
 
GLP-1分泌と代謝シグナル
グルコース代謝産物は、ATP 産生、KATP channel 閉鎖を修飾している可能性がある。
代謝を受けないαMGPに比べ、同じ濃度のグルコースの方が、GLP-1分泌が多い。
 
β細胞は、グルコキナーゼを用いて、グルコース濃度とmetabolic rate をリンクさせている。
L細胞でグルコキナーゼが発現しているが、グルコキナーゼ遺伝子異常であるMODY2で、GLP-1分泌は低下しない。
 
Sweet taste receptor GLP-1分泌
腸管L細胞のグルコース感知は、sweet taste receptor とSGLT1が想定されていた。
ラットの腸管を用いたモデルでは、人工甘味料でGLP-1分泌は惹起されなかった。
Sweet taste receptor がafferent vagal nerve を介してGLP-1分泌を促進する可能性もある。
 
1. Kuhre RE, Frost CR, Svendsen B, Holst JJ Molecular Mechanisms of Glucose-Stimulated GLP-1 Secretion From Perfused Rat Small Intestine Diabetes. 2015 Feb;64(2):370-82. 

 
2. Gribble FM An Absorbing Sense of Sweetness Diabetes. 2015 Feb;64(2):338-40. 

3. Gorboulev V. et al. Na(+)-D-glucose cotransporter SGLT1 is pivotal for intestinal glucose absorption and glucose-dependent incretin secretion Diabetes. 2012 Jan;61(1):187-96. 


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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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