SPRINT試験、血圧120mmHg 未満の管理は140 mmHg 未満に比べ致死的、非致死的心血管イベント、全死亡が少ない

心血管イベントリスクが高く糖尿病がない場合、血圧120mmHg 未満の管理は140 mmHg 未満に比べ致死的、非致死的心血管イベント、全死亡が少ない。

SPRINT試験の概要
年齢50歳以上、血圧130mmHg 以上、以下の心血管イベントリスクを一つ以上持ち糖尿病、脳卒中既往のない9361人
・CKD (eGFR 20-60 ml/min/173m2)
・フラミンガムリスクスコアで10年間の心血管病リスク15%以上
・75歳以上

収縮期血圧120 mmHg未満あるいは140 mmHg未満の管理に振り分け。プライマリーアウトカムは心筋梗塞、他の急性冠症候群、脳卒中、心不全、心血管死とした。
1年目の血圧121.4 mmHg vs. 136.2 mmHg 、120 mmHg未満管理群でハザード比0.75となり3.26年で中止となった。120 mg未満管理群でacute kidney injury、acute kidney failure が多い。
糖尿病が除外されたため、スタディ全体で、致死性、非致死性心血管イベント率は低い。

ACCORDとSPRINTの比較
・ACCORDは糖尿病患者のみ、SPRINTは糖尿病を除外
・SPRINTは規模が大きく高齢者が多い。 参加者4733 人vs. 9361人、年齢 62 vs. 68 SPRINTでは参加者の28%が75歳以上
・ACCORD試験では、血圧120と140mmHg未満を比較、有意差はつかないが複合心血管アウトカムの12%のリスク低下が示され、95%信頼区間では27%リスク低下の可能性が示されている。この結果はSPRINTと一致する。
・ACCORD試験の二次解析で、血糖値標準療法の血圧140mmHg 未満群に比べ、血圧120 mmHg 未満群は、26%の複合心血管アウトカムの減少を示し、この結果は血糖値、脂質管理とは独立していた。

The ACCORD trial showed a (nonsignificant) 12% lower risk of its primary composite cardiovascular outcome, with a 95% confidence interval that included the possibility of a 27% lower risk, which is consistent with the cardiovascular benefit observed in SPRINT.

・収縮期血圧の低下が心血管に与えるベネフィットが、糖尿病の有無で変わらないと思われるが、その点はまだ明らかにできていない。

SPRINT Research Group A Randomized Trial of Intensive versus Standard Blood-Pressure Control. N Engl J Med. 2015 Nov 26;373(22):2103-16. doi: 10.1056/NEJMoa1511939. Epub 2015 Nov 9.


 
関連記事
プロフィール

N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

最新記事
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
学問・文化・芸術
102位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
自然科学
13位
アクセスランキングを見る>>
検索フォーム