mini-stomach に発現させたインスリン産生細胞は、糖尿病マウスの血糖値を改善させる。

胃前庭部の細胞は、遺伝子操作により生後に膵β細胞へreprograming が可能である。
体外で三次元培養したmini-stomach を大網に移植したマウスでは、糖尿病を発症後、mini-stomach でインスリン産生細胞を誘導させることにより血糖値が改善する。
糖尿病の細胞治療に、胃前庭部細胞が有用であることを示した論文です。

簡約
Neurogenin3、PDX-1、MafAの発現をdoxycyclineにより誘導する遺伝子改変マウスでは、胃前庭部、十二指腸、小腸にインスリン陽性細胞を認める。胃前庭部の細胞は、β細胞に類似した遺伝子発現をしめす。
胃前庭部のインスリン陽性細胞では、グリベンクラミド、Exemdin-4によりインスリンが分泌されるが、十二指腸のインスリン細胞では分泌されない。

遺伝子改変マウスの gastric gland をマトリジェルで三次元培養し、mini-stomach を作成した。
移植のため免疫を低下させたマウスの大網に、min-stomach を移植後に、doxycycline でNeurogenin3、PDX-1、MafAの誘導を行うとインスリン産生細胞が出現する。

移植したマウスにSTZ を投与し糖尿病を誘導すると、血糖値は500mg/dlへ上昇、doxycycline でインスリン産生細胞を誘導することにより、血糖値は200~300 mg/dl へ改善し、移植後は血糖値500mg/dlへ上昇する。

腸管特異的なmaster geneであるCdx2が、胃には発現しないためインスリン細胞への転換が十二指腸より容易であると推察される。

Reprogrammed Stomach Tissue as a Renewable Source of Functional β Cells for Blood Glucose Regulation

Chen YJ et al. De novo formation of insulin-producing “neo-β cell islets" from intestinal crypts. Cell Rep. 2014 Mar 27;6(6):1046-58. doi: 10.1016/j.celrep.2014.02.013. Epub 2014 Mar 6.

 
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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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