腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸は腸管の糖新生を生じ肝糖産生を低下させる。

 腸内細菌が食物線維を発酵して生じる短鎖脂肪酸は、腸管で糖新生遺伝子を誘導し、糖新生を増加させる。その結果、肝臓での糖新生が減少し、脂肪蓄積が減り体重も増えにくい

まとめ1, 2)
galacto-oligosaccalide、fructo-oligosaccalide などの可溶性食物線維は、腸内細菌で発酵され、
短鎖脂肪酸 (酢酸 acetic acid C2H4O2、プロピオン酸 propionic acid C3H6O2、酪酸 butyric acid C4H8O2)が生じる。

酪酸は、直接的にcAMP依存性に、プロピオン酸は、門脈求心線維-中枢経由で糖新生関連遺伝子の発現を活性化し腸管で糖新生を増加させる。 GPR41/FFAR3、GPR43/FFAR2は短鎖脂肪酸の cosensor であり、末梢神経系、門脈の神経系にGPR41/FFAR3が発現している。

プロピオン酸は肝臓で糖新生の基質となることが知られていたが、腸管でも
糖新生の基質となる。肝臓外での糖新生は、adiposityや体重を減らし、肝臓での糖新生を減少させる。

食物線維 fructo-oligosaccalide の摂取は、Bacteroidetes を増加させ、Firmicutes を減少させる。
Bacteroidetesの増加は、血中のプロピオン酸の増加と強く相関する。

酢酸は、Blood Brain Barrier を透過し、視床下部に直接的作用し食欲を抑制する。2)

De Vadder F et al. Microbiota-generated metabolites promote metabolic benefits via gut-brain neural circuits. Cell. 2014 Jan 16;156(1-2):84-96. doi: 10.1016/j.cell.2013.12.016. Epub 2014 Jan 9.


Frost G et al. The short-chain fatty acid acetate reduces appetite via a central homeostatic mechanism Nat Commun. 2014 Apr 29;5:3611. doi: 10.1038/ncomms4611.


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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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