エンパグリフロジンの腎保護作用

心血管イベントハイリスクの2型糖尿病患者で、エンパグリフロジンは、プラセボに比べ腎症の進行を遅らせる。

EMPA-REGは、心血管イベントハイリスクの2型糖尿病患者対象としたエンパグリフロジンとプラセボの比較、フォローアップ3.1年。エンパグリフロジン群で、心血管死、心不全による入院、全死亡が有意に少ない。さらに低血糖の頻度が少なく、体重、血圧は低下する。
secondary outcome で、糖尿病性腎症の悪化のハザード比は 0.61、血中クレアチニン値の2倍上昇、Renal replacement therapy のリスク低下は、それぞれ44%、55% であった。

エンパグリフロジンの腎保護作用では、腎血管への直接作用が重要な役割を果たしていると考えられている。
エンパグリフロジンは、遠位尿細管でナトリウムの再吸収を抑制する。その結果、近位の macula densaでナトリウム供給が増え、輸入細動脈の血流が変化し (afferent modulation)、 hyperfiltration が低下する。
Renin-Angiotensin-aldosterone system (RAAS) 阻害薬は、輸出細動脈を拡張し、糸球体内圧を低下させ、腎保護作用を示す。EMPA-REGでは、RASS阻害薬と併用でもエンパグリフロジンが腎保護作用を示した。

一方、糸球体内圧を低下させるにもかかわらずアルブミン尿の頻度を抑制することはできなかった。 (マクロアルブミン尿への進行は抑制)

Empagliflozin and Progression of Kidney Disease in Type 2 Diabetes

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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