インクレチン作用のレビュー 2

インクレチン作用
健常者で経口グルコース投与が、経静脈投与に比べインスリン分泌を誘導する現象を指す。
GLP-1、GIPをはじめとする腸管ホルモンの他、神経系、胆汁酸なども関与する。
同様な血糖値曲線を示すグルコース投与量で比較している。(経口75 g vs. 経静脈29 g, SD6)
'The incretin effect describes the phenomenon whereby oral glucose elicits higher insulin secretory responses than does intravenous glucose, despite inducing similar levels of glycaemia, in healthy individuals.'

GIPは、経口グルコース投与でGLP-1より血中濃度が上昇する。
グルカゴンは、GIP、GLP-2分泌を刺激し、経静脈グルコース投与で、グルカゴン分泌がより抑制されることが関係するかもしれない。
GLP-1は、Gastric emptying を抑制するため、インスリン分泌促進には対立した作用がある。
GIPがインスリン分泌促進というインクレチン作用の大部分を担い、GLP-1の役割は少ない。
'By contrast, GLP-1 probably contributes to a minor proportion of the incretin effect, partly because effects on gastric emptying oppose those on the endocrine pancreas with respect to insulin secretory responses.'

インクレチン作用の減弱あるいは欠損
2型糖尿病では、GLP-1によるインスリン分泌反応は残るが、GIPによるインスリン分泌は認められない。
メタアナリシスで、2型糖尿病と正常耐糖能者の間で、GLP-1、GIP分泌に違いは見られない。
なぜ2型糖尿病でGIPによるインスリン分泌誘導が消失するのか未だ明らかでない。GIP受容体の回復は治療のアプローチとなる。

DPP4阻害薬とインクレチン作用
DPP4阻害薬は、血糖値を下げ、インスリン分泌を増加させる。一方、経口グルコース投与と血糖クランプで評価したインクレチン作用は改善させない。

Nauck MA, Meier JJ. The incretin effect in healthy individuals and those with type 2 diabetes: physiology, pathophysiology, and response to therapeutic interventions. Lancet Diabetes Endocrinol. 2016 Jun;4(6):525-36

 

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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