メトフォルミンと長寿

基礎研究ですが、メトフォルミンと長寿についての論文が、NEJMに掲載されていました。
レファレンスを含めた内容をまとめてみました。
 
 メトフォルミンが作用するAMP-activated protein kinase (AMPK) は、AMP/ATP比を増やし、食事制限時のメタボリックセンサーの役割がある。 SHRマウスに対し、メトフォルミンを投与したところ、メスでは寿命を延ばした。しかしガンの発生率は変わらず。
  Ribosomal S6 kinase 1 (S6K1) は、nutrient-responsive mTOR (mammalian target of rapamaycin) の下流にあり、同化(anabolic)のシグナル伝達に関与し、AMPKの発現を調節(抑制)することにより作用する。
 
S6K1のノックアウトの結果、メスでは長寿となった。オスメスとも、体が小さく、加齢に伴う運動機能、骨の衰退 (decline) などを認めず、加齢後もインスリン感受性が良かった。S6K1ノックアウトマウスの肝細胞では、AMPK活性が増加していた。
 mTOR-S6K1-AMPK カスケードは、エネルギー制限を介して寿命に関連し、線虫とマウスで保存されていることが明らかになった。長寿は性別に関係するなど、まだ解明すべき点は多い。
(2017/3/15 改定)
 

1) Aging ― Lost in Translation? N Engl JMed 2009; 361: 2669-2670
2) Ribosomal Protein S6 Kinase 1 Signaling Regulates Mammalian Life Span Science 2009 2009; 326: 140-144.
3) Metformin slows down aging and extends life span of female SHR mice. Cell Cycle 2008; 7: 2769-2773

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N. Ishizuka

Author:N. Ishizuka
糖尿病専門医です。インスリン分泌の基礎研究を経て臨床に戻りました。これまで読んだ論文を臨床に生かしていこうと思い、ブログ形式でまとめています。

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